
気をつけて!感情を表す言葉のダメな使用例「号泣」「失笑」あと1つは
号泣は大声が条件
号泣
大声をあげて泣くこと。「悲報に号泣する」
広辞苑第六版
号泣とは、ワーワーと声を上げてなくことです。
例えば、4年ほど前、とある県議員さんが、ワーワーと大声で泣きながら会見を行いましたが、あれが「号泣」です。
あれは大変珍しいもので、そう考えると、大人の人はあまり号泣はしない気がします。
声を殺して泣く場合は「大泣き」で良いと思いますし、もう少し文学的に「滂沱(ぼうだ)の涙を流す」としてもいいでしょう。難しい言葉は知らない人もいるでしょうから「大泣き」で良いと思います。
失笑とは笑っている状態
失笑
笑ってはならないような場面で、おかしさに耐えきれず、ふき出して笑うこと。
広辞苑第六版
つまらないギャグを連発したので、笑うに笑えない状況。
そんなときに「ほら、みんな失笑しちゃったじゃない」というのは誤用。
失笑というのは、笑っている状態なのです。
失笑の「失」には「失禁」などのように、不可抗力的な意味があります。
思わずぷっと笑ってしまうという感じですね。ネット用語で言えば「w」でしょうか。
笑いをなくしてしまう方に関して「笑」という漢字が付くものとしては、冷笑、苦笑、嘲笑などがあります。
文化庁の調査では、実に60%以上の人が「あきれる」という意味で捉えているとのことで、かなり誤用が進んでいる状態です。
ちなみに、同じく長い間誤用とされてきた「爆笑」に関しては、今回辞書での大改訂がありました。ずっと「大勢で」という意味がついて回る言葉で、「一人で爆笑する」のは誤用だとされてきました。
爆笑
大勢が大声でどっと笑うこと。
広辞苑第六版爆笑
はじけるように大声で笑うこと。
広辞苑第七版
元々第六版までが違ったとは考えにくいので、これは誤用が定着した例なのかもしれません。私も以前「爆笑は大勢で」とあちこちに書き記してきたので、訂正に回る必要がありそうです。
琴線は感動の弦で、逆鱗は怒りのスイッチ
琴線に触れる
心の奥に秘められた、感動し共鳴する微妙な心情。
広辞苑第六版
同じく文化庁の調査によると、本来の使い方である「感動や共鳴を与えること」と回答した人が37.8%、本来の使い方ではない「怒りを買ってしまうこと」と回答した人の割合が35.6%です。
琴線とは、琴の糸のこと。心の奥にあるという比喩を使い、心の奥深くで共鳴するとしています。
そして逆鱗とは、81枚ある竜のうろこのうち、1枚だけあごの下に逆さに生えているものがあり、そこに触れると竜が怒ってその人を殺すという故事から来た言葉です。
言ってみれば、琴線は感動の音を鳴らす弦で、逆鱗は怒りのスイッチです。
同じ「触れる」でも全然違うので注意が必要です。
感情を表す言葉ほど要注意
世の中様々な言葉による誤解がありますが、感情を表す言葉ほど、訂正や修正がややこしいものはありません。へたをすれば、それこそ「逆鱗に触れる」かもしれませんよね。日ごろから注意をすることが大切です。こうしてみなさんの元に届くコラムが不必要な誤解を少しでも少なくしますように。
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