この人を選んだら、幸せになれますか?-38歳・清美の場合(1)-【40女の恋愛事情・story4】
そんなにしょっちゅう誘われるというわけではない。
たまたまそんなタイミングになったら誘ってもらえるという程度の存在だと思う。
でも、最近、声をかけられることが明らかに増えてきた。
それは、3ヶ月ほど前に、つかず離れずだった男性との仲を、きっぱり絶ったからかもしれない。
誰から聞いたか忘れたけれど、男の人の嗅覚はあなどれないらしい。
嗅覚というか、気配、みたいなものかもしれない。
その女性に他の男がすでにいるかどうかを、敏感に察知することができるという。
本当かどうかわからないけれど、確かに、私はあの人のことを考えなくなってから、誘われることが増えた。
それは、私の中からあの人の存在が消えたからなのかもしれない。
あと、私自身の、男の人への態度も変わったのだと思う。
前よりも優しくなったし、それに、どこか媚びるようにもなった。
それは、今、仲のいい男の人が誰もいなくて、さみしいから。
このさみしさを早く消したいから……。
フリーになってから、私は、男の人を前よりも褒めるようになった。
褒めれば、男の人は単純に喜ぶし、こちらを悪くは思わない。
だからちょっとでもいいところを見つけたら、大げさなほど、持ち上げる。
「ありがとうございます。頼りにしてます」
「○○さんって、優しいんですね」
あとはすごいですね、とか、かっこいいですね、とか……。
いつもなら照れて言えないような言葉を付け加えるだけで印象が随分と変わる。
男の人が嬉しそうに目を細めるのがわかる。
これは、言葉のお遊び。ほんの少しのサービス。
私の言葉で少しでも誰かがこちらを向いてくれるのなら。
そうして私の寂しさが消えてくれるのならば、それでいい……。
この記事は
作家&エッセイスト
内藤みか
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