【40代編集長の婚活記#160】婚活独女、9年ぶりにできた彼との「恋の顛末」
止めたいのに溢れる涙
涙をぬぐってもぬぐっても溢れてくる。当然、声も涙声になっている。
なんとかして冷静に話したいのに、涙がコントロールできない。
アサミ「数カ月間のデートで、あなたのやさしいところ、紳士的なところ、仕事のこと、尊敬できるところをたくさん知って……。だから好きになったんです」
自分の気持ちを正直に伝えた。
アサミ「でも、ずっと思っていたんです。私なんかでいいのかなって。なんでもできてしまうあなたに、いろいろと足りない私はふさわしくないんじゃないかって。心のどこかでずっと自信がなかったんです」
ジェントル「泣かないで、アサミさん」
彼はやさしく言ってくれているけれど、私の感情は落ち着かない。
アサミ「至らないところは直したいんです。欠点がたくさんあることはわかってます。その中でも何がよくないと思ったのか、教えてくれませんか?」
過去の恋愛でも、聞いたことがある質問を投げかけた。結局、誰も答えてくれなかったけれど……。でも、本当に知りたい。
ジェントル「直してほしいところがあるわけじゃないんです。そのままでいいんです。合わせなくていい。僕だって会うたびにアサミさんのこと好きになっていったし、だからお付き合いしたいと思いました」
それなのに?
ジェントル「あなたの問題じゃない。いまだって、嫌いになったんじゃありません。好きだからこそ、アサミさんには自分の人生を大切にしてほしいんです。こんな、いつどうなるかわからない男にかまっていないで」
「好きだからこそ」っていう言葉がツラい
いっそのことなら、好きじゃなくなったと言ってほしかった。「好きだからこそ」なんてやさしい言葉をかけてくれるのが逆につらくなる。
もうやめよう、ジェントルさんとのことはあきらめよう……。頭の中ではわかっているのに、気持ちが追いつかない。
アサミ「どうしてだろう……。他のことはなんとかなっても、恋愛だけはうまくいかない。いままで恋愛でいい思いをしたことがなくて」
事実、過去の恋愛はいつも短い期間でフラれて終わるパターン。
アサミ「でも、ジェントルさんは恋愛の素敵な面を教えてくれた。だから、ずっと一緒にいたいと思ったんです。なにか困難なことがあっても一緒に乗り越えていきたいって」
また同じなんだと思うと、隠せないくらいの涙声になってしまった。でも泣いてすがりたいわけじゃない。なんとかして涙を止めたいのに……。
ジェントル「僕自身の問題なんです。アサミさんには……子供がいないから、わからないと思いますが」
彼の声が、いままでで最もクールに、いやドライに聞こえた。
ドライに響いた彼の言葉
その言葉に、たとえようのない気持ちになった。バッサリと何かを断ち切られた気がした。
アサミ「そりゃ、私には子供はいませんけれど……」
でも、いないからわからないっていうのは……。確かにそうかもしれないけれど、私なりに受け止めているつもりだったし、そこには踏み込まないつもりだった。
そのとき、自然と涙がひいてきた。
ジェントル「僕は離婚をして、子供と離れて暮らすことになって、本当につらい毎日でした。一生、一緒にいると決めて結婚したのにそれを継続できなかった。失敗した人間なんです」
離婚歴のある人がときどき口にする言葉、「失敗」。彼も何度か言っている。そんな風に自分を責めることないのに。
ジェントル「せめてもの罪滅ぼしとして、子供をずっと支えていこうと約束したのに病気のことがわかって。もしかしたらその約束すら、僕に万が一のことがあったら守れないことになるんです」
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