【岩井志麻子】ストーカー事件から考える、男女のカンケイについて

2019.09.17 LOVE

私が長年お世話になっている、東京ローカルの番組。

現在、そこで司会者をしているFさんは、定期的にストーカーに狙われる。先日も、何人目かの逮捕者が出た。

 

ストーカーになる女たち

彼はお笑いを生業として、ときおりキモいキャラを演じたりもしているが、高学歴の坊っちゃんで背も高く顔も整っているし、シュールなことはいってもキツいことはいわないので、モテるのはわかる。

実際、モテてるようだし。だから、ストーカーも呼びよせてしまうのね。

後に捕まる彼女らはみんな、「私の気持ちはFさんにはきちんと伝えているし、彼も私を憎からず思ってくれている。なのに、なかなか恋人にしてくれない。彼が煮え切らないから、私から行くしかないみたいなことをいうんだわ。

いや、彼は煮え切らないんじゃなく、煮える具もなく鍋も用意してないし、ガスに点火もしていない。

 

彼が煮え切らない理由は

タレントのストーカーと一緒にしないで、私はちゃんと彼と親しい仲よ、というあなた。オバサンもね、それをまったくのあなたの一方的な思い込み、一人よがり、勘違いだとはいいたくないけど。

彼が煮え切らないのは、煮え切りたくないからよ

彼はこのままの状態が心地よく、今の状況を続けたいわけ。Fさんのストーカー達だって、「そこらの一般のファン以上の扱いをして」などといい出さず、普通のファンでい続けてたら彼も笑顔で手を振ってくれるし、いつもありがとうと顔も覚えてくれてたよ。

そういう私も、しょっちゅう一緒にご飯食べたり飲んだり、ときには二人きりではないにしても旅行も行っちゃう男友達がいるけど、お互いにこれ以上、距離を詰めたいとは願っていない。

詰めちゃうと、かえって仲違いしたり気まずくなったりすると思う。

 

人付き合いで大切なのは

すべての対人関係には、居心地よい距離感というものがある。

結婚しない方が続く男女、友達でいる方がいつまでも仲良しでいられる男女、ってのもいるんだよ。好きな相手とは恋人にならなきゃ。惚れた相手とは結婚しなきゃ。そんなふうに思い込んで車間距離を詰め過ぎたら、追突しちゃう。

それこそストーカー扱いされかねないし、距離をもっと取られてしまう恐れもあるからね。

 

程よい距離を保ち続けていたら、いつの間にか煮えていた、ってこともあるし。

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この記事は
作家 岩井志麻子

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