糖質で更年期が悪化する?40代は食事のココを気をつけてほしい|医師に聞く更年期#5

なんだか漠然とした「更年期」をハッキリさせながら、更年期を楽に乗り切る為の5つの方法を、栄養療法や腸内フローラの最新情報も取り入れながら、医師で予防医療のスペシャリスト・桐村里紗が全6回シリーズでお伝えします。今回は、自律神経の乱れに直結する「糖質」について。

【医師が教える「更年期の乗り切り方」 vol.5

糖質の摂り過ぎが自律神経を乱す

更年期障害の症状と言えば、自律神経の乱れによって起こることをお伝えしました。

もちろん、加齢現象として、自然に卵巣機能が低下していき、女性ホルモンの分泌が乱れることで、自律神経までもが乱れてしまうというのが最大の理由です。

ただし、若い頃からの乱れた生活習慣で、そもそも自律神経が大いに乱れた状態で更年期に突入し、余計に更年期障害が悪化してしまう原因になります。

自律神経を乱す食生活として、注意したいのが、糖質の摂り過ぎです。

 

糖質摂り過ぎチェックリスト

糖質摂り過ぎチェックリストをみてみましょう。

  1. 甘いものが大好き
  2. 食事は炭水化物中心だ
  3. 食後にやたらに眠たくなる
  4. 空腹時に低血糖になりやすい
  5. イライラ、そわそわしやすい
  6. 動悸や発汗などの症状がある

特に4~6.は、血糖値の乱高下によって引き起こされる症状ですが、何かに気づきませんか?

 

更年期障害か、血糖値の乱高下か

更年期障害の症状の中には、自律神経症状として、「動悸」「発汗」、精神症状として「イライラ」「そわそわ」しやすいなどがあります。
これは、血糖値の乱高下によって引き起こされる症状と似ています。
血糖値の乱高下も、更年期障害の症状も、主に自律神経を通して引き起こされるので、似通っているのですね。

これは、糖尿病の有る無しに関わらず、血糖値が上がりやすい食べ物を何も考えずに食べることによって誰にでも引き起こされるものです。

 

血糖値乱高下は誰にでも起こる

具体的には、砂糖たっぷりの甘いスイーツ。
ごはん、パン、うどんやラーメン、パスタなどの麺類などの炭水化物。
これらを、単品で食べることで、

  1. 血糖値が跳ね上がる
  2. 血糖値を下げるためにすい臓から血糖値を下げるホルモンであるインスリンが大量分泌される
  3. 急激に血糖値が下がり始める
  4. 4〜5時間後くらいに逆に低血糖になる

という具合で、食後すぐには血糖値が跳ね上がり、急激に下がりだし、4〜5時間後には低血糖になるという血糖値の乱高下が起こります。

 

血糖値の低下は脳と体のストレスになる

脳は、血液の中の糖を栄養源に使っていますので、血糖値にとても敏感です。
低血糖になるということは、細胞にとって「飢餓」状態ということ。
危機的状況なので、脳は、これを上げようとして自律神経のうち交感神経を刺激します。

交感神経が刺激されると、体は戦闘モードになり、戦いのために細胞のエネルギー源となる血糖値を上げようとします。
それと同時に、戦闘に備えるべく、心拍を上げることで動悸や発汗が起こり、精神的には、イライラ、そわそわ落ち着かない状態になってしまいます。

更年期障害かな?と疑いたくなりますが、血糖値の上がりやすい食生活をしていたらまず、それを見直してみて下さい。

場合によっては、急な動悸や精神症状が起こるために、「パニック障害」と診断されてしまうこともあります。
もし、食事の内容や症状が出現する時間などを考えて、血糖値が関係ありそうであれば、血糖値が上がらない工夫をしてみてください。

 

血糖値が上がらない食べ方

◼︎炭水化物オンリーメニューを避ける

まず、おにぎりだけ、パンだけ、パスタだけ、うどんだけのような炭水化物オンリーメニューを避けましょう。
栄養バランスが悪いばかりか、血糖値が上がりやすくなります。

一汁三菜はなかなか大変ですが、一汁一菜でも良いので、何かおかずも食べましょう。

◼︎白い穀物より黒い穀物を適量

特に、血糖値を下げる働きがある食物繊維が不足した、白いお米や白い小麦を使った白い炭水化物に注意。
同じ量を食べるのであれば、雑穀米を混ぜたご飯やライ麦パン、全粒粉のパスタなどの方が血糖値の上がり方はゆっくりになります。

ただし、いくら黒い穀物でも、量を食べてしまい、糖質の絶対量が多くなれば、血糖値は上がることがわかっていますので、食べ過ぎて良いものではありません。

◼︎先野菜・先おかず

「まず、ごはんから行きたい!」という根っからの白飯派には残念ですが、ごはんは一番最後に。
先に食物繊維を含む野菜や肉や魚などのメインのおかずを食べることで、血糖値の上がりがゆっくりになることがわかっています。

炭水化物は、最後の楽しみと考えるべし!

◼︎朝の食物繊維で昼食後の眠気を回避する

ある1食に食物繊維をしっかり摂ると、次の食事でも血糖値が上がりにくくなることがわかっています。

朝、スムージーや海藻入りの味噌汁を飲むなどして食物繊維を摂れば、昼食後に血糖値が上がり、急激な眠気に襲われることを防いでくれます。

◼︎コシヒカリ系よりもササニシキ系の冷やご飯

お米のデンプンには、ねっとりもっちりしたアミロペクチンとあっさりしたアミロースの2種類があります。
アミロペクチン100%は、もち米。
アミロペクチンは、全て人間の腸で消化吸収されて血糖値が上がります。

一方で、アミロースが多いお米は、タイ米などのポソポソのお米。
こちらであれば、食物繊維のように働き、腸で消化吸収されづらく、血糖値が上がりにくくなります。
特に、冷えた状態になることで、「レジスタントスターチ」という消化されづらい食物繊維の働きが出るため、レンジでチンはせずに、冷やご飯として食べる方がダイエットにもつながります。

うるち米は、アミロペクチンとアミロースのミックスですが、今流行っているお米は、コシヒカリ系の遺伝子を持ち、アミロペクチンが多くもっちりしたお米。もちろん、こちらの方が美味しいですからね。
アミロースが多くややあっさりしたササニシキ系のお米の方が、お勧めです。
他にも、「高アミロース米」で検索するとインターネットでも色々な種類のお米が販売されています。

が、やっぱりお米には美味しさを求めたい!という方は、雑穀をブレンドするなどしてはどうでしょう。

 

更年期?と疑う前にまずは食生活の工夫を

これまでずっと糖質ばかりをエネルギー源にしていた人が、急な糖質制限をしてしまうと、むしろエネルギー不足を招き、疲労や不調の原因になります。

ここでは、血糖値の上昇を緩やかにするマイルドな方法をご紹介しました。

更年期障害かな?と疑う前に、糖質の摂り過ぎを感じる方は、ぜひまずはできることから実践してみて下さいね。

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