「いつまでも若い」と言われる女性は普段何を食べているのか|医師に聞く更年期#3

なんだか漠然とした「更年期」をハッキリさせながら、更年期を楽に乗り切る為の5つの方法を、栄養療法や腸内フローラの最新情報も取り入れながら、医師で予防医療のスペシャリスト・桐村里紗が全6回シリーズでお伝えします。

今回は「腸」と更年期について。同窓会でびっくりするほど若見えする秘訣もここにあります。

【医師が教える「更年期の乗り切り方」 vol.3】

不調の原因は「女性ホルモン低下」だけはないことも?

前回までに、「更年期障害の症状を「避けられない女性ホルモンの低下のせい」と片付けずに、日々のちょっとずつの工夫で自分の力で軽減できるものだと考えてみて欲しい」とお伝えしました。

閉経に差しかかったことによる女性ホルモンの低下だけで起こる訳ではなく、これまで繰り返してきた食生活やライフスタイルの乱れ、ストレスなどによる心身への負担の積み重ねによっても起こり、悪化します。

食生活やライフスタイルの乱れ、ストレスの蓄積によって

  • 慢性的な栄養不足
  • 腸内環境の乱れ
  • 自律神経の乱れ

などが起こります。

現代型栄養失調として、女性に低下しやすい「タンパク質」「鉄」についてはすでにお話ししましたので、今日は、「腸内環境の乱れと更年期の症状の関係」についてお話ししたいと思います。

 

同窓会の年齢格差はここで作る

同窓会に参加して、同級生の見た目年齢の格差に愕然とした経験があると思います。
年齢を重ねるほど、5歳、10歳、20歳と格差はどんどん広がるばかり。
もちろん、美容外科にお世話になっている場合もあるかも知れませんが、天然同士の対決でも、格差は歴然とします。

「あなた、普段、どんなことしてるの?」と聞いて、
「え?な〜んにも!高級な美容液なんて買えないもの」。

なんて、答えが返って来ようものなら、笑顔の下で「ぬ〜、この嘘つきっ!」と悪態をつきたくなってしまうかも知れません。

もちろん、遺伝的な体質もありますから、そこの格差を埋めることはできません。
でも、ここで圧倒的な格差をつけることが可能です。それも、更年期を軽やかに乗り切りながら。

それが、腸内環境を良くすることです。

腸内環境全体のバランスを良くすることで、女性の味方になる「エクオール産生菌」を叩き起こすこと。そして、更年期症状に関わる女性ホルモンの働きを補い、自律神経を整えることができるので、かなり根本的なアプローチになります。

便秘があれば、更年期の本番前にいち早く解消したいものです。

 

自律神経は腸から整える

まず、更年期症状を起こす一番の原因が、「自律神経の乱れ」です。
女性ホルモンが乱れる為に、脳の近い中枢にある自律神経が一緒に乱れてしまいます。

代表的なホットフラッシュなども自律神経の影響です。

この自律神経を整える為に一番手っ取り早いアプローチが、腸を元気にすることです。

「50歳になる前にやめる100のこと」シリーズの「腸を叩き起こす!今がピークの便秘、冬太りをまとめて解消。医師直伝の3ポイントは」でもお伝えしたように、胃腸は自律神経のうち、リラックスを促す副交感神経で支配しているとお伝えしました。

いつも天敵に襲われるリスクのある野生の草食動物で考えると、リラックスできる安全な状況でなければ、呑気に草を食んでいる場合ではないですから。

腸内環境が悪化し、腸の動きが悪くなると、腸を経由して自律神経が乱れてしまいます。

逆に、腸内環境、腸の動きを改善するアプローチは、腸を経由して自律神経を整えてくれます。

 

女性ホルモンをサポートする腸内細菌を活性化する

女性ホルモンの働きをサポートすることで、更年期症状を軽減し、見た目の若さを保つ為にも不可欠な腸内細菌として「エクオール産生菌」が有名かと思います。

大豆のイソフラボンが腸の中に入り、腸内のエクオール産生菌に食べられてエクオールに変換されると、圧倒的な活性を持つことが話題になっています。

これまでは、腸内のエクオール産生菌は、大豆や小豆を良く食べる日本人の腸の約半分程度にいるものの、大豆や小豆を食べなくなった日本人には2割程度しかいないと考えられていました。

ところが、最近は9割の人には、エクオール産生菌がいることがわかってきました。
エクオール産生ができる菌は一種類ではなく、複数いるので、何かしら持っている可能性の方が高いのです。

ただし、いるのはいるのですが、サボっているのですね。

エクオール産生菌のエサであるイソフラボンを含む豆類を食べないでいると、イソフラボンをエクオールに変換する才能を忘れてしまうのです。

さらに、食生活が悪く、腸内環境全般が悪い人でも、善玉菌であるエクオール産生菌が減少してしまうことも分かっています。

 

悪玉菌に押され、自分の素晴らしい才能を忘れて引きこもり状態になった哀れなエクオール産生菌。
その才能を思い出させ、表舞台で活躍させようと思えば、イソフラボンを含む豆製品を摂ると同時に、腸内環境全般を改善させる食生活をすることです。

 

悪玉菌が多いとサプリメントも効かない

さらに、腸内に悪玉菌が増えてしまうと、サプリメントを摂ってもその栄養素が体内に増えないという怪現象が起こります。

善玉菌は、人に必要な栄養素を作り出す働きがある一方、悪玉菌は、人に必要な栄養素を奪います。食事からの栄養素も十分に吸収できなくなりますから、食べても栄養不足でエネルギー切れの状態になってしまいます。

前回お話しした「鉄」について、サプリメントを摂っても摂っても体内の貯蔵鉄「フェリチン」が増えない人は、食生活が悪く腸内環境が悪化している場合が多いのです。

逆に、腸内環境が回復すると、同じ食生活でもフェリチンが回復してきます。

 

更年期に必須な腸を整える食生活

自律神経を整え、エクオール産生菌を活躍させ、栄養素の吸収を邪魔させないための食生活は、更年期症状だけでなく根本的な健康アプローチになります。

 

◾️大豆・小豆をせっせと食べる

まずは、イソフラボンを含む大豆や小豆などの豆類をせっせと食べましょう。
これを食べることで、エクオール産生菌のエクオール産生能が回復してきます。
豆腐、納豆、味噌。そして、おやつは、洋菓子よりもあんこもの。

伝統的な食生活をする日本人の腸内では、世界的に見てもエクオール産生菌が活躍していることが分かっています。

 

◾️あらゆる善玉菌を食物繊維で育成

エクオール産生菌だけでなく、乳酸菌やビフィズス菌など腸内のあらゆる善玉菌の大好物は、とにかく食物繊維です。

食物繊維の中でも、特に水溶性のもの。
海藻類やキノコ類、こんにゃくやバナナなどのフルーツなどに多く含まれます。

非水溶性の食物繊維は、エサにはならないものの、善玉菌の寝床になり、腸の運動をサポートします。
ですから、両方あるのがいい。
野菜や海藻類、キノコ類、豆類などを食べると、水溶性も非水溶性も両方の食物繊維が摂取できますから、これらを意識して食べましょう。

 

◾️砂糖よりもオリゴ糖

砂糖は、悪玉菌のエサになり、オリゴ糖は、善玉菌のエサになります。
ちなみに、我が家には、砂糖がありません。
料理に使うのも、オリゴ糖のシロップですが、癖もなく使いやすいのでおすすめです。

たまの楽しみに、砂糖を使った甘いものを食べるのもいいですが、最近は「糖質制限」スイーツなどもありますから、どちらか選べるならばそちらを選びましょう。

オリゴ糖の甘味料を買うときには、裏の成分表示は必ず確認してください。

オリゴ糖100%でなく、ブドウ糖や人工甘味料などの余計な混ざりものがある可能性もあります。
また、安価なシロップによく使われている「イソマルトオリゴ糖」。これは、残念ながら、腸内の善玉菌のエサになるよりも、人間のカロリーになってしまいます。

 

腸内環境を改善するアプローチは、更年期症状を改善するだけでなく、健康と美容への根本的なアプローチになります。
どの年代でも最優先事項ですが、早めの実践が、後の年齢格差を縮める秘訣です。

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