在宅ご飯が炭水化物まみれ…?家に眠る「アレ」でコロナ太りをガードして!
こんにちは。「予防医療」のスペシャリストで、医師の桐村里紗です。
この連載では、人生100年時代の折り返し地点、50歳になる前にやめたい悪習慣についてお伝えしていきます。
都市部に緊急事態宣言が発令され、1ヶ月は在宅中心生活が続きます。食料は十分に流通すると言われながらも、つい買いだめしてしまった人間心理。麺類など炭水化物に偏っていませんか?炭水化物中心に食べながら運動が不足すると、1ヶ月には「誰!?」と言われるほどぽっちゃりしてしまうかも。
【ネオヘルスケアドクターLISAの「50歳になる前にやめる100のこと」#21】
「炭水化物生活」になってない?
買い占めとまではいかなくとも、これまでのように毎日小まめにスーパーに足を運ぶことができなくなると、ついつい、長期保存できるパスタやうどんなどの乾麺、冷凍麺、カップ麺などの炭水化物を買い物かごに入れてしまいがちです。
元々、保存食を作りだめして、上手くやりくりしていたスーパー主婦以外、夫や子供の3度の食事を作る状況はとてもストレスフル。1食の調理になるべく時間もかけたくないものです。
すると、お昼は、うどんだけ、ラーメンだけのルーティーンになっていないでしょうか。
買ってしまった炭水化物をどうやって健康的に、かつ簡単に消費するかが、1ヶ月後の体重を左右します。
ご注意!「糖」は余ると「脂肪」に変わる
精製された小麦粉を使ったうどんやラーメン、パスタなどの白い麺類。とても使いやすいものですが、単品で食べることで血糖値が上がりやすいのが難点です。
糖尿病の人はもちろん、そうでない場合も、血糖値が上がりやすい炭水化物を単品で食べると、食後の血糖値がスパイクのように上がりがちです。
「体脂肪に変わるのは、揚げ物などの油もの」というイメージがあるかも知れませんが、糖も余れば脂肪に変わります。
余剰な糖分は、中性脂肪になり、肝臓に脂肪肝として溜まったり、体脂肪として溜まったりします。
炭水化物を食べる際には、血糖値を上げない食べ方の工夫が必要です。
血糖値の上がりにくい食べ方とは
炭水化物の血糖値の上がりやすさは、食物繊維の量とそもそもの量によります。
炭水化物とは、糖質と食物繊維を含むもので、炭水化物自体に食物繊維はある程度含まれます。
とは言え、精製された白い穀物は食物繊維が減り、血糖値が上がりやすいもの。
雑穀や全粒粉を使った麺類、蕎麦などの未精製の黒い穀物は、食物繊維を多く含むことで血糖値の上昇がゆっくりになります。
だからと言って、量をたくさん食べてしまうと結局、血糖値を上げることになりますので、たくさん食べて良い訳ではありません。
麺類単品メニューは、ご飯とおかずといった一汁○菜メニューと違って、炭水化物の摂取量自体が多くなってしまいがちです。
麺類を食べる時には、せめても、食物繊維をプラスして、血糖値の急上昇を防ぎたいところです。
キッチンの棚に眠るアレを活用すれば大丈夫!
食物繊維源といえば、代表選手は野菜です。
麺類を食べる時にも、サラダやスープを添えたり、具として野菜をたっぷり入れるなどしたいものです。
でも、野菜メニューを考えるのも、切るのも、手間がかかるものです。
「ちょっとは手抜きさせて!」という方は、キッチンの棚の中で忘れ去られた乾物を掘り出してみましょう。
乾物は保存食として優秀であるばかりでなく、栄養の宝庫です。
昆布や乾燥わかめは、野菜以上に微量ミネラルや食物繊維が豊富です。
干し椎茸があれば、万々歳です。免疫力を維持するために必要なビタミンDを含み、今こそ食べたい食材です。
乾燥わかめであれば、出来上がった汁に放り込めば良いだけ。昆布や干し椎茸も、ただ水につけて戻るのを待ち、ちょっとだけ切れば良いものです。
腸活に大切な糖質の摂り方
食物繊維をしっかり摂らないと、免疫維持の為に肝心要と言われる腸内環境も悪化します。
腸内の有用菌をしっかりと育成するためのエサは、とにかく食物繊維ですから、毎日もりもり食べましょう。
また、糖質の摂りすぎは、腸内のカンジダ菌を増やして腸内環境を悪化させること。
(「今すぐやめて!炭水化物オンリーランチで「腸がカビだらけ」に?」)
現代の小麦粉に含まれる小麦のタンパク質・グルテンが、腸や脳の炎症、依存を引き起こしやすいこと。
(「パンをやめたら夫婦関係まで改善?「グルテンフリー」のすごいメリット」)
などを以前にご紹介しました。
今、オススメなのは、日本伝統の発酵食品を活かした一汁○菜ご飯です。食事に含まれる炭水化物の割合が50〜55%程度が最も死亡率が低いことが分かっていますが(※1)、それは、1食お茶碗1杯程度のご飯に当たります。
例えば、ご飯、納豆、豆腐とわかめの味噌汁であれば、調理の手間はほとんどありません。これを機に、ゆっくりと料理をして、スローフードに戻ってみるのもオススメです。
自分なりの方法で、炭水化物の摂り方を見直してみて下さいね。
参照:※1『The Lancet Public Health』vol3.Issue9,Sep 1th,2018
【ネオヘルスケアドクターLISAの「50歳になる前にやめる100のこと」、週1回、土曜の夕方に配信!】
文/内科医・認定産業医 桐村里紗
tenrai代表取締役医師。1980年岡山県生まれ。2004年愛媛大学医学部医学科卒。内科医・認定産業医。治療よりも予防を重視し、最新の分子整合栄養医学や生命科学、常在細菌学、意識科学、物理学などをもとに、執筆、webメディア、講演活動などで、新しい時代のライフスタイルとヘルスケア情報を発信。著書『日本人はなぜ臭いと言われるのか 体臭と口臭の科学』(光文社新書)ほか。
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