「過不足」は「かぶそく」ではない!ありがちな誤読10選

2020.07.01 QUIZ

あたりまえだと思ってみんなの前で口に出していたのに、実は読み方が間違っていたなんて恥ずかしいですよね。今回は、誰もが知っている漢字を使っているのに、誤読の多いものを選んでみました。

 

1・過不足

読み間違いの例

かぶそく

正しい読み

かふそく

意味

過ぎたことと足りないこと。多すぎることと足りないこと。過不及。

用例

過不足(かふそく)ない説明が求められる。

説明

小学校の漢字テストでよく出題されます。「過」は5年生で習う漢字で、私も作問しています(笑)。
○○不足という時は濁る時が多いですよね。「説明不足」「水不足」「食料不足」などです。この「○○不足」の場合は「○○が不足している」という意味です。このときは「ふそく」が濁って「ぶそく」となるようです。しかし「過不足」は「過」が「不足している」という意味ではなく、「過」+「不足」なのです。ですから、濁りません。

 

2・既存

読み間違いの例

きぞん

正しい読み

きそん

意味

すでに存在すること。

用例

既存(きそん)のルールを適用します。

説明

今では「きそん」「きぞん」両方を対等に扱うという意見が主流になってきました。両方で掲載している辞書もあります。間違った慣用読みが市民権を得た代表例ですね。でも元々は「きそん」だったということを覚えておきましょう。年配の方と話す時は「きそん」と読んだ方が印象が良いでしょう。
なお「依存」も同じで、本来は「いそん」です。「依存症」は「いそんしょう」が元々の正しい読みです。

 

3・年俸

読み間違いの例

ねんぼう

正しい読み

ねんぽう

意味

年ごとに定めた俸給(ほうきゅう)。一年分の俸給。

用例

年俸(ねんぽう)アップを要求した。

説明

これは、誤字も多い熟語。「年棒」と書いている人も多いのでは?「俸」は「きへん」ではなく「にんべん」です。おそらく「年俸」を「ねんぼう」と誤読してしまうことからの誤字だと推測されます。

出典>>「過不足」は「かぶそく」ではない!ありがちな濁点がらみの誤読5つ

 

4・和む

読み間違いの例

わむ

正しい読み

なごむ

意味

和やかになる。穏やかになる。

説明

もちろん「なごむ」の意味は分かると思います。素敵な言葉ですよね。小学校3年生で習う漢字です。読みではなく「書き」のテストでよく出題されます。ぜひ、お友達に「なごむって漢字で書ける?」と聞いてみてください。

 

5・飲み代

読み間違いの例

のみだい

正しい読み

のみしろ

意味

酒を飲む代金。酒代。

説明

この「飲み代(のみしろ)」を「のみだい」と読むのは、慣用的なものになっていますが、辞書には「のみしろ」の方しか載っていない場合もあります。意味は「酒代(さかだい)」と同じ。酒代のように、代金を表す場合「○○代(だい)」と使うことが多いので、「飲み代」も「のみしろ」ではなく、だんだんと「のみだい」に変わっていったと思われます。

 

6・一入

読み間違いの例

いちいり、いちにゅう

正しい読み

ひとしお

意味

ひときわ。いっそう。いちだんと。

説明

元々は、染め物を染め汁に一回浸すことを言いました。一回染めるごとに、色が濃くなっていく様子から「ひときわ」の意味で使われるようになったそうです。「一」も「入」も簡単な漢字なのに、組み合わせると読めないものですよね。

 

7・幕間

読み間違いの例

まくま

正しい読み

まくあい

意味

劇場で、一幕終わって、次の幕が開くまでの間。幕を引いてある間。芝居の休憩時間。

説明

本来誤りであった「まくま」という読み方も、認められるようになってきた言葉ですが、本当は「まくあい」と言います。特に格式張った場所などで使うことが多いでしょうから、正しい方を覚えておいて損はありません。「間」を「アイ」と読むのは、常用漢字表にない読み方なので、テレビなどの放送表記は「幕あい」になっています。私はいつもこのような表記に出会うたびに「ルビを振ったら勉強にもなるのに」と感じます。

 

8・専ら

読み間違いの例

せんら?(笑) 読めない人が多いと思われます。

正しい読み

もっぱら

意味

そのことばかり。それを主として。まったく。

説明

「あなたが○○したって、もっぱらのうわさよ」「休日はもっぱら家にいます」などというように使います。読み間違いというより、読めない人が多いのではないかと思います。小学校6年生で習う漢字です。

出典>>「甘味処」は「かんみどころ」じゃない⁉簡単なのに読み間違える熟語10個

 

9・灰汁

読み間違いの例

はいじる

正しい読み

あく

意味

灰を水に浸して取った上澄みの水。炭酸イオン・アルカリ金属イオン等を含み、汚れの洗い落とし、染色などに用いる。植物中に含まれる渋み、えぐみなどのある成分。肉などの煮汁の表面に浮かぶ白い泡状のもの。人の性質や文章などに感じられる、強すぎてなじみにくい癖や個性。

あの人は、灰汁(あく)の強い人だ。

説明

野菜などを煮たときに、上澄みに泡のような苦いものが発生します。それを灰汁(あく)といいます。灰汁を「あく」と読める人が少ないので、レシピなどでは「アク」とかたかな表記する場合が多いですね。昔は灰を水に浸した上澄み液で、アクの強いもののえぐみを取っていたので、その作業そのものに当てられる字となったようです。いくらくせが強くても「悪」ではありませんので、気をつけましょう。

 

10・行灯

読み間違いの例

ぎょうとう

正しい読み

あんどん

意味

木などのわくに紙を貼り、中に油皿を入れて灯火をともす具。室内に置くもの、柱に掛けるもの、さげ歩くものなどがある。

行灯(あんどん)に灯がともる。

説明

これも聞いたことがある言葉だと思います。現代では木や竹、籐などの枠の中に照明があるものを指しますが、初めは、その他に手に提げて持つ物もありました。そこから「行灯」の文字が当てられ、唐読みで「あんどん」になりました。手に持つタイプは提灯(ちょうちん)に取って代わりましたので、今では据え置き型のものを「行灯」と言うようになりました。このような語源を知ることも、誤読を防ぐ方法の一つですね。

出典>>「役務」って正しく読めてる?簡単なのに間違える漢字10選

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