「舌鼓」は「したづつみ」じゃない⁉簡単なのに読み間違える熟語9個
当たり前だと思い込んでいた漢字の読み、本当に合っているでしょうか? 今回は、字面が簡単ゆえに間違えてしまいがちな言葉を集めてみました。
1・著す
読み間違いの例
ちょす、しるす
正しい読み
あらわす
意味
書物を書いて世に出すこと。
説明
小学校の漢字テストでよく出題されます。6年生で習う漢字で、私も作問しています(笑)
2・一見の客
読み間違いの例
いっけんのきゃく
正しい読み
いちげんのきゃく
意味
初対面。初会。
説明
「いっけんのきゃく」では意味が分かりません。「いっけん、客に見える人?」となりそうですね。たしかに「一見」は「いっけん」とも読みますが、「~の客」や「~さん」とした場合は「いちげん」です。元々遊郭で、その遊女に初めて会うことを言いました。今ではむしろ格式の高い店に対し、自分を下げて「この店は一見さん(いちげんさん)はお断りかな?」などのように使います。
3・気色ばむ
読み間違いの例
きしょくばむ
正しい読み
けしきばむ
意味
怒ったさまが表れる。意中をほのめかす。様子を顔色にあらわす。気取る。なまめかしい様子をする。
説明
現代では、怒りで顔色が赤くなった時に使うことが多いです。「批判されて気色(けしき)ばんだ」のように使います。「きしょく」と読むのは、おそらく「気色悪い(きしょくわるい)」から来ているかと思われます。「気色悪い」は「きしょくわるい」で「けしきわるい」とは読みません。怒った時に使う言葉なので、読み間違えてさらに怒りを買うことのないようにしたいものです。
4・重版出来
読み間違いの例
じゅうはんでき
正しい読み
じゅうはんしゅったい
意味
重版分の本が刷り上がり、書店に搬入されること
説明
2016年にテレビドラマ化された漫画『重版出来(じゅうはんしゅったい)!』を知っている方は間違わないかと思いますが、読めない人も多いのではありませんか。「出来」とは事件の起こること、物事ができあがることを表す言葉で「珍事が出来する(しゅったいする)」「近日出来(きんじつしゅったい)の予定です」のように使います。「出来」は「でき」とも読みますが、前後の文章から読みを判断した方が賢明ですね。
出典>>「甘味処」は「かんみどころ」じゃない⁉簡単なのに読み間違える熟語10個
5・舌鼓
読み間違いの例
したづつみ
正しい読み
したつづみ
意味
食物を賞美する時などに、舌を鳴らすこと。
用例
あまりのおいしさに舌鼓(したつづみ)をうった。
説明
女性の表現ではあまり出てきませんが、上の用例「あまりのおいしさに舌鼓を打った」のように使います。もともと「つづみ」という和楽器があります。舌でつづみを打っているような様子を表しているので「したつづみ」となります。
6・茨城
読み間違いの例
いばらぎ
正しい読み
いばらき
意味
関東地方北東部の県。
用例
昨日、茨城(いばらき)に行きました。
説明
「茨城」を「いばらぎ」と読むと、茨城の人に十中八九叱られます。県名なので、ルールも何もありません。廃藩置県の時から「いばらき」です。
出典>>「過不足」は「かぶそく」ではない!ありがちな濁点がらみの誤読5つ
7・役務
読み間違いの例
やくむ
正しい読み
えきむ
意味
労働などによるつとめ。
例
日本、フランス両政府は、自衛隊とフランス軍が物資や役務を融通し合う物品役務(えきむ)相互提供協定(ACSA)に署名した。
説明
例文のような場合や、「役務商標」「役務賠償」などの熟語で目にすることが多い言葉ですね。一般人は声に出して読み上げる機会がないので、文字通り「やくむ」と読んでしまう人が多いのかと思います。
8・言質
読み間違いの例
げんしつ・げんしち
正しい読み
げんち
意味
後日の証拠となる(約束の)ことば。ことばじち。
例
ちゃんと先方の言質(げんち)を取ってきなさい。
説明
「言質を取る」という熟語で使われる言葉です。「言質を取る」とは、後で証拠となるような約束の言葉を得ることを言います。ことばじち、言葉の人質ですね。
9・好々爺
読み間違いの例
こうこうじい
正しい読み
こうこうや
意味
人のよい老人。にこにこしたやさしそうな老人。
例
水戸黄門は好々爺(こうこうや)として慕われていました。
説明
「爺」は「じいさん」の「じい」ですが、この場合は「や」と読みます。
出典>>「役務」って正しく読めてる?簡単なのに間違える漢字10選スポンサーリンク