コロナ時代のレジャーに医師が「土いじり」をオススメするワケ

2020.06.27 WELLNESS
こんにちは。「予防医療」のスペシャリストで、医師の桐村里紗です。

この連載では、人生100年時代の折り返し地点、50歳になる前にやめたい悪習慣についてお伝えしていきます。

ウィズコロナの新しい生活様式へのシフトが求められていますが、殺菌消毒が日常化した今こそ、ちょっとショートトリップして、健康的に土に触れたいところです。

【ネオヘルスケアドクターLISAの「50歳になる前にやめる100のこと」#32

「無菌の環境」は生物にとって異常です

新型コロナウイルスの影響で「微生物は敵だ!」と考えている人が増えているように感じます。

 

確かに、病原性のウイルスは、人に害を与えますが、実は、私達の環境は、びっしりと共生可能な微生物に覆われている方が健康的です。

 

「雑菌」として片付けてしまいがちですが、「雑草」という草がないように、「雑菌」という菌もいません。

 

衛生的過ぎる環境がアレルギーの原因に?

以前から、都市の衛生化は、感染症を減らす代わりに、アレルギーなど免疫系の病気を増やすことが知られています。

 

人は、生まれた時は無菌状態ですが、赤ちゃんの頃に、母親の皮膚や唾液、母乳などを通して常在細菌をもらい、環境の中にあるモノをベロベロと舐めて、環境の共生菌をお腹に取り込んで、適度に微生物に触れ合うことで、免疫を育てるということが分かっています。

 

微生物学者がペットを飼う理由って?

多様な微生物と触れ合い、腸内細菌の種類が多く、多様性が高いほど、健康的。

腸内細菌の種類が少なく、多様性が低いと、不健康になります。

 

これをよく知っている細菌学者は、子供ができると、あえて人よりもたくさんの菌を持っているペットを飼って、多様な菌に触れさせようとします。

 

殺菌消毒が当たり前の社会の解決策に「土いじり」

ところが、今や、環境や手肌を殺菌消毒せざるを得ない状況になっています。

今後も、この状況は継続するでしょう。

 

その代わりに、積極的に環境の有用な微生物と触れ合う為に、土に注目したいのです。

特に、幼児までにたくさんの微生物に触れることで、体に共生する常在細菌が育ちますので、お子さんがいる方はなるべく、環境の微生物と健康的に触れ合う機会を作って頂きたいのです。

 

人の細胞に感染するウイルスは、多様な微生物が暮らす土の中では生きられませんし、増えません。

 

収穫体験、菜園、山や川や森でのキャンプ

今だからこそ、積極的に土に触れて頂きたいのです。

自然の土1gには、数十億個もの土壌菌が暮らしています。納豆菌と同じ種類である枯草菌や乳酸菌、酵母などの有用微生物が暮らしています。

 

海外旅行が難しい今だからこそ、週末はちょっと郊外に農業体験や森林にキャンプに生き、自然の中の微生物と触れ合う機会を持つのはどうでしょう。

 

お子さんいらっしゃるならば、都会ではできない泥んこ遊びをする良い機会になります。

農薬を使わない畑の方が、土壌には病原性の微生物が少なく、有用な微生物が多様になりますので、オーガニック農法の田畑や自然の森の土が理想です。

 

土壌菌が抗ストレス効果を発揮する

コロラド大学の研究で、土壌菌の一種には、抗ストレス効果があることも解明され始めています。

 

ストレスから守り、免疫のバランスをとり、炎症を抑える効果があるとのこと。

 

まだまだ通常モードに回復しないウィズコロナの日常生活に疲れたら、土に癒される機会を積極的に作ってみてはいかがでしょうか。

 

プレシャスな日本の自然や田舎

私自身、最近、自粛ストレスを抱えたので、ちょっと千葉までショートトリップしました。

 

敷地内の自然栽培の田畑で育てた野菜やお米を使った発酵料理を提供してくれ、農体験もできる自然豊かな森にある宿に泊まり、すっかり癒されました。

 

日本の自然や田舎は、なんとプレシャスだったことかと、改めて見直しています。

 

【ネオヘルスケアドクターLISAの「50歳になる前にやめる100のこと」、週1回、土曜の夕方に配信!】

文/内科医・認定産業医 桐村里紗

tenrai代表取締役医師。1980年岡山県生まれ。2004年愛媛大学医学部医学科卒。内科医・認定産業医。治療よりも予防を重視し、「ヘルスケアは、カルチャーへ」というコンセプトを掲げ、新しい時代のヘルスケアを様々なメディアで発信している。フジテレビ「ホンマでっか!?TV」「とくダネ!」他メディア出演多数。著書『日本人はなぜ臭いと言われるのか 体臭と口臭の科学』(光文社新書)他。

 

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この記事を書いたのは
内科医・認定産業医 桐村里紗

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