芸術の秋。【隣の美人】が実践する「感性を磨く」具体的な行動とは?
秋晴れのロマンティックな季節には、読書や美術鑑賞が適しています。文化や芸術を理解し、美意識をもつことも気品あるレディの生き方です。今回はこの季節から始められる美意識と審美眼の磨き方を(一社)日本プロトコール&マナーズ協会主任講師の松田玲子先生にお聞きしました。
【連載/気品を身につけるシンプルな教え#17/審美眼編】
*連載一覧
(一社)日本プロトコール&マナーズ協会
美意識を育む具体的な方法
自然や生き物を観察したり大切にする心も美意識を育む
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ちゃめっ気たっぷりな愛くるしい姿で世間を魅了するのはプリンセスシャーロット王女。この写真は英国で行われている活動『ビッグ・バタフライ・カウント』の日のものです。生態系を考えるなどがテーマですが、その一環として、美しいアカタテハやクジャクチョウに親しんでいるようですね。
生き物を観察したり、触れあうことを幼児期からなさるのは、王室や皇室の方々が「思いやり」や「慈しみ」の心を大切に考えているからです。この心は、すべての人が持つ優しい心で、古今東西変わらない教育の柱であり、特に欧米の「ノブレス・オブリージュ」(貴族教育)の核でもあります。
美意識を養うために自然を観察したり博物館や美術館で古いものから観る審美眼を養い、本物を見抜く感性を磨くためにも、まず自然を観察して愛でることです。合わせて、人が自然に合わせて暮らしていた古代(日本なら先土器時代や縄文時代)の器や、壁画などを見ることをおすすめします。素朴な表現の中にも、自然とともに生きる古代の人の精神の豊かさを感じることができると思います。
また、人が暮らしの中で必要とするものや崇拝しているものの姿もさまざまな形で表現されています。古代の作品などは、博物館や美術館を訪ねて、実物を自分の目でみることが理想ですが、自由に行き来のできない今のような状況の場合、日本や海外の美術館によってはバーチャルで鑑賞できることが増えてきましたので、大いに活用して様々な作品を鑑賞することをおすすめいたします。
博物館で観ることができる審美眼を磨く美と教養のリスト
◆陶磁器
李朝の白磁、明治時代の呉州赤絵皿、鎌倉・室町時代の代表的な焼き物「瀬戸」「常滑」「備前」「丹波」「信楽」「越前」「萩」、茶の湯と友に数々の名品が生まれた安土桃山時代の「織部」「唐津」「志野」「黄瀬戸」「瀬戸黒」や、千利休が長次郎に作らせたわび茶の精神を具現化した「楽茶碗」。
江戸時代以降ヨーロッパの王族貴族を魅了した優美な「有田」「古九谷」「柿右衛門」「古伊万里」、公家や大名への贈答品であった精巧美麗な「鍋島」、本阿弥光悦の「楽焼」、野々村仁清・尾形乾山・奥田頴川といった名工の「京焼」など、古代から江戸まで陶磁器の源流を観ます。
◆漆器
「Japan」と称される漆器は、日本を代表する芸術です。格調高い美しさが花開いた平安時代の国宝「片輪車蒔絵螺鈿手箱」、尾形光琳の国宝「八橋蒔絵螺鈿硯箱」など、博物館や美術館で、長く厳しい修行に耐え抜きなおかつ抜きん出た名工の手のあとをじっくりと見て真贋を見極める目を養います。
◆日本画
平安時代の仏教美術は世界が絶賛するものですが、その中でも最も優美と称えられる国宝の「普賢菩薩像」をはじめ、「阿弥陀聖衆来迎図」、狩野永徳の「檜図屏風」、酒井抱一の「夏秋草図屏風」、狩野探幽などの障壁画、尾形光琳、俵屋宗達、本阿弥光悦、円山応拳、上村松園、渡辺崋山、横山大観、川合玉堂などの精密かつ陶酔的な美しさなどタイプの違う美しさを堪能することは、自分の内面と向き合い、あなたの美を発見するてがかりとなります。
◆西洋画
巨匠レオナルド・ダヴィンチ、生命の本質を追究し続けた天才ピカソ、印象派のセザンヌ、モネ、マネ、女性の美しいルノワール、光の魔術師フェルメール、幻想的なダリ、豊かな色彩のシャガール、ルソー、マチス、ゴッホ、ロートレック、マリー・ローランサン、トレンツ・リャド、黒田清輝、安井曾太郎など。
ぜひ、美しいものをたくさん観て心を満たしましょう。美しい物で満たされた豊かな心は本物のエレガンスを生み出すでしょう。そのような芸術の秋をお過ごしください。
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