「絶望の忘れっぷり」更年期世代の「物忘れ」「能力低下」。乗り切る方法は見つかるのか?更年期ペアが激論

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更年期症状の1つである「物忘れ・能力低下」。これは単なる老化なのか? それとも減りゆく女性ホルモンのせいなのか? どちらにしても、当事者である更年期世代にはツライことには変わりありません。

そこで、自身もこの問題で悩んだ(現在も進行中⁉)更年期コンビ、オトナサローネ編集長・井一美穂と、美容ライターの藤井優美が、読者からのアンケートとともに、更年期世代の物忘れ・能力低下について語り尽くします。

【更年期のホンネ】#3前編

 

読者の皆さまに質問! あなたが「物忘れ・機能低下」を実感したのはどんなときでしたか?

井一 今回のアンケートにお答えいただけた方は135名。年齢的には、45~48歳ぐらいがボリュームゾーンですから、更年期症状が出たのかどうか、ちょうど悩まれるころですね。

 

日本人女性の平均閉経年齢は50~51歳と言われていますが、ここには個人差があり、40代で閉経する人もいれば、50代半ばに閉経する人もいらっしゃいます。更年期は、この閉経を挟んで前後5年の10年間。年齢的にもやはりこの時期は体の機能が大きく低下しますよね。ちなみに、藤井さんは更年期による物忘れや能力低下は感じましたか?

 

藤井 それはもうすさまじく(!?)感じました、というか現在も感じています。45歳くらいかな? 記憶しておくことに自信がなくなって、一緒にタッグを組む編集者に冗談っぽく「すぐ忘れちゃうから、少しでも遅れたら教えて」と言いまくってました。

 

本当に記憶がスコーンと抜けてしまうんです。特に、更年期症状が一番出た49~50歳くらいはつらかったな~。コロナ禍でミーティングがオンラインになったのも大きいけれど、リモートワークで作業をしているとミーティングの時間を忘れてしまい、電話をもらって焦って参加する、なんてことが何回かありました。

 

井一 わかりますー。もう、自分のことが何も信じられないんですよね。ちなみに、それってすぐに「更年期のせい」だと思いましたか?

 

藤井 当時はあまり結びついてはいませんでした。ただ、その頃には、ホットフラッシュや不眠、不安といった更年期症状が出てきていたので、今考えれば「この記憶力の低下も更年期症状なんだ」と、あとから理解した感じですよね。それを認めてからは、ヘンな焦燥感は軽減しました。

 

井一 アンケートでも「とっさの時に名前が思い出せない。買い物に行くのにメモが必須」「つい今し方考えていたことが、ちょっと他のことをしただけでコロッと忘れてしまい、思い出せない」「数年前の旅行先でのこと、お出かけの記憶がなくなっている。日常生活も忘れていることが多い」などなど、もう全部わかります~。

 

そんな私でも、更年期症状で唯一よかったと思えるのが、自分が間違えるから人に対して寛容になったこと。以前であれば、うっかりやられたら腹が立っていたけれど、「自分もやるからな~」と怒らなくなったんです(笑)。

 

藤井 もう、全部経験ありです…。私はメモを手書きで実践しています。このデジタル時代に、手書きというのはアナログですが、デジタルだとさらに記憶に残らないんです(苦笑)。買い物リストはもちろん、仕事でもTo Doリストを作成していますよ。というのも、記憶力低下とともに、マルチタスクができなくなっていったんです。

 

 

物忘れから自分のことが信じられなくなっていくなんて…

 

井一 これまでマルチタスクで生きてきた藤井さんが急にマルチタスクが難しくなったんですね。

 

藤井 フリーランスの私は、数本の仕事を同時並行で進行させなければいけないので、マルチタスク能力が求められるのですが、これまでは難なくこなせていたはずなんです。でも、何かをやっている最中に、違う内容の仕事が入ると、パニくるし、前にやっていたことが抜けてしまうし…。そんなことが続き、仕事というか、自分にどんどん自信をなくしていって。今考えれば、これが不安となり、更年期がひどくなったのかも。

 

井一 確かに。アンケートでも、「責任のあるポジションに就いていたけれど、自分のパフォーマンスが落ちて自信をなくして退職した」「今までなら絶対に忘れなかったのに…!という、人の名前、支払い、金額など、重要なことや、聞いたことが記憶に残らないなど、痴呆かと思いました」なんてコメントもありました。

 

藤井 仕事を自分の存在意義として捉えてると、仕事ができない=ダメな自分、となりがち。自分が信じられないから、手帳にメモしたスケジュールすら時間を間違えているんじゃないかと疑いだしちゃうし(笑)。

 

井一 あ~、それ! 私も何も信じられなくなりましたよ。仕事仲間に「私の言うこと信じないで」と言いまくる(笑)。

 

▶【後編】「もう私は何の仕事もできないかもしれない」自己肯定感ダダ下がりの私たちはどうすれば?

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