梅宮アンナが赤裸々に語る「娘の不登校体験」。すべての親を励ましたい、私たちは大丈夫だって#3

2023.06.15 WORK

二度目の不登校。高校に入学早々、学校大好きな娘が急に行けなくなった原因とは

 

次に娘が不登校になったのは、高校に進学してわりとすぐのことでした。半年くらい行けませんでしたね。厄介なことに、今度は、不登校になる理由がなかったんです。ある日急に、部屋に引きこもってしまったの。

 

ただ、私と口はきいてくれたからまだよかったかな。

 

前と同じく「行けないんだったらしょうがないよね」と言いながら、ランチに連れ出したりして、たくさん話をしました。

 

学校に行かせず、娘と遊ぶ親なんて、世間から見たらダメな親なんだろうけど。でもね、今は「娘とたくさんの時間を過ごす必要があるタイミングだったのかな」とも思えるんです。

 

——このときも不安はありませんでしたか? このままドロップアウトしたらどうしようとか。

 

やっぱり「学校に行きなさい」とは一度も言いませんでしたね。この子の将来をどうしようと不安に思うこともありませんでした。とにかく自分の経験から、行きたくない学校に無理に行くつらさを知っていましたし、娘が怠けて学校に行けないわけじゃないっていうのもわかっていたし。

 

それに、学校に行かなくても、今は生きていける道はいくらでもあるから。あとで高校卒業の資格が欲しいと思うなら通信制もあるし、大学検定……いまは高卒認定と呼ぶそうですが、そういうルートもあるしね。

 

ただ、小学生の不登校と違ってここで悩んだのは、娘といくら話しても、学校に行けない理由、部屋から出られない理由が見つからなかったことです。彼女自身も「わからない」って。ただ、「気力が出なくて学校に行けない」って繰り返すだけだった。

 

娘は小学校4年生でバレーボール部に入ってからずっと夢中になってクラブ活動にまい進していたし、友人関係もうまくいっていたから、決して学校を嫌いになったわけじゃなかったんです。

 

学校からはしょっちゅう連絡がきて、スクールカウンセラーさんをつけてくれたりと、親身になって相談に乗ってくれました。学力が落ちないよう、学校がチューターという女性の家庭教師を紹介もしてくれたんです。4週間来てもらったかな。

 

でもね、あとでわかったことなんですが、派遣された方ご自身が、むしろ娘よりも先に加療を受けるべき問題に苦しむ方だったのです。娘はおそらくその苦しみも一緒に引き受けていたのだと思います。

 

娘に「なんでそれママに言わなかったのよ」と聞いたんですが、「言ったら、先生が辞めさせられちゃうと思って」と返ってきて。

 

百々果って、幼いときから「自分の考え」がはっきりあって多数派の意見に流されることもないし、精神的にも強いし、忍耐力も人一倍ある子なんです。でも半面、自分が負担に感じても相手のことを思って我慢してしまうってことを自然にやってしまうところがあって。

 

彼女のその優しさや我慢強さ、忍耐力もよしあしだなと。ときに、その気質が知らず知らずのうちに彼女自身のことを傷つけてしまうこともあるんだな、注意して育てないといけないなと、彼女の言葉を聞いて思いました。

 

 

半年後、突然、不登校が終わった。結局のところ誰にも「なぜか」はわからなかった

 

半年くらいたった頃でしょうか、百々果が急に「明日から学校行く」と言い出したんです。なんだか突然「行ける」って思えたんですって。

 

行けなくなった理由もわからないけど、行けると思えた理由も、自分でわからないって。強いて言えば、このまま不登校が続けば、出席日数が足りなくなって留年か退学になってしまうから、ギリギリになって「それはやっぱりやだな」とは思ったから、みたいですけど。

 

それからは、出席日数を稼ぐため高校1年生の夏休みは、毎日のように学校に通ってました。学校がそういう対応をしてくださるのも本当にありがたいですよね。それにしても娘の不登校への学校の対応を見て、改めていい学校に入れられたなって思いました。

 

娘の入ったインターナショナルスクールは、方針がすごくはっきりしていました。

 

「私たちは教育のプロフェッショナルです。もし、われわれのやり方に異論があるならやめてください」。「いじめは絶対許しません。見つけた場合、いじめた側に学校をやめてもらいます」。こんなことを入学時に親がはっきり言われるの。もう、それを聞いて「最高!」って思いました。

 

お受験は大変だったし、高額な授業料を払うのもすごく大変だったけど、頑張ったかいがあったなって。今でも、学校には心から感謝しています。

 

余談です。関係があるのかわからないけれど、「場所の呪い」ってあると思う

そしてね、これは、ちょっと不思議なおまけの話として聞いてほしいんですが……。百々果の不登校の原因に、「家」が関わっているんじゃないかなと、ちらっと思っているんです。

 

百々果が高校に入ってからすぐ、ある家に引っ越しました。すると、1週間もたたないうちに次々家族に嫌なことが起き始めたんです。

 

まず、父と母が、立て続けに倒れて入院してしまい、仕事と親の世話で私も大変でした。そんなある日、百々果がいつものように自転車で学校に行ったのですが、その途中、いきなりバタンと自転車ごと倒れてしまったんです。仕事先から慌てて戻り、病院に連れて行っても原因は不明とのこと。

 

でも、そこからなんですよ。彼女が学校に行きたがらなくなったのは。そのときふと、もしかして、この引っ越した家の影響もあるかなと思ったんです。

 

というのも、暖房をかけても、どんなに温度を上げてもこの家はまったく暖まらず、常に冷気が漂っていたり。私は、家中の温度を一定にしたいのと、空気がこもるのが嫌で、すべての部屋の扉を開けて外出するのですが、帰宅すると、なぜかそれらの扉がすべて閉まっているんです。

 

そんなことが続き、なんかおかしいなあと思っていたら私以外の家族全員に、不幸が起こってしまったんです。

 

「よし、次は私か? かかってこい!」と身構えていたのですが、私には何も起こりませんでした。結局、引っ越して2週間ほどで、その家は引き払いました。

 

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