浮気した夫とはわざと離婚せず「彼氏」を作る【#婚外恋愛2】
今の自分を認めてもらいたい
夫婦関係が破綻しているのなら、そしてその原因を作ったのが夫のほうであるのなら、今のB子を簡単に責めることはできないだろう。たとえ離婚しない選択をしたのがB子であったとしても、先に「役割」を放棄したのは夫であり、彼女は今の暮らしを続ける権利を持っているともいえる。
だが、B子が既婚者である限り、交際に付き合わされる男性は「不倫」になる。肉体関係がないとしても、だからOKとは決してならないのが現実だ。
彼と仲睦まじく会話するB子の姿からは、開放感もあった。自分から目をそらした夫ではなく、私をちゃんと愛してくれる人。その安堵が伝わってくるが、裏にある「離婚しない」覚悟を思うと、それでいいのかという暗い疑問も残る。
こうして、わざわざ誰かに紹介するのは、祝福されたいからだ。
「いい人で良かったね」「おめでとう」と、こんな自分でもいいんだと必ず認めてもらいたいから、不意打ちのように会わせるのだ。あらかじめ伝えておくと断られるかもしれない。だから黙って引き合わせる。
彼の前なら嫌な顔なんてしないはず。そして幸せそうな私たちを見て喜ぶ様子を見せてくれるはず。特に、夫との「冷戦」を知っているのなら。
そんな期待。
わかっていても、その言葉を口にすることはできなかった。安易に喜ばせることに抵抗があったのではない。B子の掴んだ安寧が本物なのかどうか、その恋愛は本当に祝福されるべきものなのか、判断がつかないからだ。
夫が浮気をしても、経済的な事情で離婚できないという女性は多い。そこから仮面夫婦となり、互いに関心を失って「婚外恋愛」が加速するパターンも数多く存在する。
だが、それはやはり「正しい恋愛」にはならない。既婚者である限り「不倫」のレッテルから逃れることはできず、それは相手も巻き込むことになる。
それを理解している女性はどれほどいるのだろうかと思う。
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