何がいけないの!?「夫」も「彼氏」もいる自由【#婚外恋愛5】

2018.03.05 LOVE

「結婚」の意味

 

そんな自由を望むなら、どうして今の夫と結婚したのか。

独身なら、不倫のように人から後ろ指を指されるようなことはしなくて済む。いつだって好きなように独身男性と付き合えるはずだ。

それを言うと、

「結婚にそんな深い意味がある? 夫も好きなのよ。だから結婚したの。でも彼氏がいてもいいでしょ。誰にも迷惑かけてないんだし」

とあっけらかんとした笑顔でE子は答えた。おそらく、これまで何人かに訊かれてきたのだろうと思わせる、淀みない言葉だった。

E子にとって、結婚は必ずしも「ひとりの男性に縛られる関係」ではないのだ。夫も好きだけど、ほかの独身男性との恋愛にためらいがないのは、選ぶ自由を諦めたくないという彼女の強い意思が感じられた。

だが、そんな妻を持つ夫の立場を、気持ちを、E子は決して口にしない。一番ないがしろにされているはずの夫をそれでも「好きだ」と言える軽さにはどうしても違和感が生まれるが、それはあえて飲み込んだ。

奔放であることには必ず代償がつきまとう。独身と既婚者ではその重みもまったく違う。それを無視して今の自分を貫くことが果たして本当に幸せなのか、E子の笑顔を見つめながら考えた。

 

 

 

夫と不仲だから不倫に走るのではなく、愛しているし仲も良いけどほかに彼氏も欲しい。その貪欲さは結局自分の満足だけに向いているのであって、本当は夫とも彼氏とも、深い愛情の結び付きを得るのは難しいのではないか。

E子の「正当性」を見ていると、そんな危惧を覚える。

その結末がどうであれ、彼女自身に責任があること、選んだのは自分であることを、忘れないでいて欲しいと思う。

 

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