女の指先に歴史あり。懐かしきかなアセトンとトルエンのかおり。

日常生活で目に入ってくる自分のからだパーツ、ダントツの一位、手。指先。他の部位は鏡をわざわざ覗かないと見えませんが、手だけは目に入る。

故にそこが整っているとそれだけでなんとなく気分が良いものですね。みなさんネイルカラーはどうされていますか?

その昔はマニキュアを塗っていない日はなかった私。18歳くらいの頃から15年くらいはぶっ通しで、長めに整えた爪にマニキュアやジェルネイル塗りっぱなしの人生。マニキュアとリムーバーにやられて白くなった爪を休めることなくせっせと次の色を塗り重ねておりました。シーズンごとに出るブランドの新色や新しいジェルネイルのデザインなどに心が踊っていたのだよなあ。O.P.Iとかエッシーとか、微妙なベージュピンクばっかり何色もワイキキでまとめ買いとかしたものです。

ネイルサロンにも通ったけど、イラストレーターだし、自分でネイルアートもがっつりやってた。マーブル模様つけてみたり、フレンチネイルっつってなあ、白いラインをピシーっと爪先に塗ってみたりなあ、一粒一粒ラインストーン乗せたりなあ。ベースコート、マニキュア、トップコートの三工程も真面目にやってた。私の塗装技術は年々上達し、それはもはや趣味だったような気もする。

そんな私に訪れた爪転機その1。

それは一世を風靡したSATCことセックス・アンド・ザ・シティでした。

サラ・ジェシカ・パーカーの演じる主人公キャリー・ブラッドショーの爪がね、意外にも短く切りそろえられていて、なんの色もついていないのに衝撃を受けたのです。爪は塗ってこそ女くらいに思っていた若い私は驚きました。洋服はあんなにこってり気味なのに爪無色! 長さもつんつるてん! でも、ささくれなんかはもちろんなくて美しく手入れされている! そして極め付けに、キャリーはその指にでっかいダイヤモンドをゴロッとつけていた。がーん。これおしゃれ。これ抜け感。これNY。私は心のおしゃれ手帳にそれをしっかりとブックマークしました。

それでもダイヤは持ってなかったし、マニキュアやジェルで白く痛んだ素の爪を世に晒すのも心もとなく、しばらくはそのままネイルを塗った指先で過ごしていましたが、私の元に爪転機その2が訪れました。それは美容雑誌の取材で「育爪サロン」なるものに出会ったことでした。このサロンは、もともと爪にカラーを施すネイリストさんだった方がネイルやリムーバーの影響で科学物質過敏症になってしまい、その後に開かれたサロンでした。色を塗るのではなく、オーガニックのオイルを使って素の爪を美しく育てるサロンだったのです。

ここで教えてもらった方法で、ネイルや指回りのケアを始めてみると私の爪と爪周りは、元気を取り戻しただけでなく、光が宿ったかのように清潔な感じになり、もうここにネイルを塗りたくない! という気持ちになり、ここからはもうずっと素爪で過ごして現在に至ります。

そして今。前略キャリー・ブラッドショーさん。私、41歳になりました。気付いたらでっかいダイヤ買ってました。思えば遠くへ来たもんだ。女の指先に歴史あり。

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