【完全解説】メール文末の「ご自愛ください」正しい書き方バリエとNGなケースは?

2019.01.14 WORK

たとえ形式的なこととは分かっていても
「寒さ厳しき折、ご自愛ください。」
このような言葉が文末にあると、相手の気遣いがほんのり感じ取れます。

でも、こういう形式的な言葉ほど、バリエーションがほしいときはありませんか?
今日は、そんな時に便利な「ご自愛ください」文の作り方を伝授します。

 

そもそも「ご自愛ください」の意味は

「自愛」とは読んで字のごとし「自分を愛する」ことです。つまり「ご自愛ください」とは「自分を愛してください」という意味です。
普段は仕事のことで頭がいっぱいの相手。しかも私もこうして何かをお願いするようなメールや、何かを伝えるような手紙を送りつけている状態。そういう相手に「お仕事や雑事に一生懸命でしょうが、自分のことも大事になさってください」という意味をこめて使います。具体的には「ご自分の健康に留意してくださいね」「ご自分の体に気をつけてくださいね」ということです。
このように、相手を思う気持ちにあふれた言葉ですので、メールや手紙の結び部分で使用されるというわけです。

 

大前提1・病気の人に使うのはNG

「ご自愛ください」は、相手を思いやる言葉ですから、立場に関係なく使うことができます。老若男女分け隔てなく使えますし、会社宛など、相手が複数いる場合にも使える便利な言葉です。

特に、相手をいたわる意味が強いので、同年代、同じ立場の人というより、年上の人、目上の人に積極的に使う傾向が見られます。ところが、いくら「いたわる」と言っても、病気の人には使えません。どちらかというと、もともと元気なことはお互い周知の上で、でも「その健康を崩さないよう、気をつけてくださいね」というような状態の時に使うものです。ですから、病気の人、体調が良くない人に向けてはタブーな言葉です。このような人たちには使わないように気をつけましょう。

 

大前提2・「お体ご自愛ください」は二重表現なのでNG

もともと「自愛」には「自分の体を大切に」という意味がありますから、「お体にご自愛ください」は「お体に気をつけて自分のお体を大切に」のように二重の意味になってしまいます。これは「頭痛が痛い」と同じです。言葉に気をつけている方や、年配の方の中には、とても気になるという人もいるので注意しましょう。

 

大前提3・よくある誤変換「慈愛」にも注意

パソコンなどで入力する場合、文字の自動変換にも注意です。さすがに「ごじあいください」で「慈愛」は出ませんが、何かのきっかけで「じあい」だけを打ち直す場合、「慈愛」が出てくる時もあるので注意しましょう。「慈愛」は「慈(いつく)しみを注(そそ)いでかわいがる愛」です。それを「ください」ですから「あなたの愛をください」という意味になり、「ご自愛ください」とは全く逆の意味になります。注意しましょう。

 

正解!「ご自愛ください」の使い方のコツ

さて、本題です、この「ご自愛ください」はワンパターンになりがちです。それを打破する為には、次の方法が便利です。
それは「マイナスイメージのある時候の言葉」を利用する方法。時候の挨拶に付ける季語がそのまま使える方法です。
時候の言葉というのは、例えば1月なら「新春の候」「厳寒の候」「寒さ厳しき折」という言葉です。そのうちマイナスイメージのある言葉、例えば「厳寒の候」や「寒さ厳しき折」などを「ご自愛ください」に付けます。ただ付けるのではなく、理由も付けます。

つまり

時候の言葉+理由+ご自愛ください

というパターンです。

先ほどの1月の例で言えば

  • 厳寒の候、お風邪など召されませんよう、ご自愛ください。
  • 寒さ厳しき折、体調を崩されませぬよう、ご自愛ください。

こんな感じです。また「理由」を付けずにシンプルにしたい場合は「どうぞ」という言葉が便利です。

  • 厳寒の候、どうぞご自愛ください。
  • 寒さ厳しき折、どうぞご自愛ください。

時候の言葉は、ネット検索でも出てきますし、Wordなどでは「挿入」「あいさつ文」で出てきます。便利な世の中になりました。その中から少しマイナスイメージのある言葉を選ぶと良いでしょう。「気をつけて」という気持ちにつながるからです。
また、その季節独特の「本格的な冬がやってまいりました。」「風邪が流行っております」などの言葉を入れるとぐっと良くなりますね。

 

季節ごとのポイント

春 3、4、5月

天気が変わりやすい時期、冬に逆戻りをする日もあります。

  • 春とは言え、まだ寒い日もございます、どうぞご自愛ください。
  • 冬の名残もまだ去りやらぬころ、どうぞご自愛ください。
  • 軽暖の候、どうぞご自愛ください。

夏 6、7、8月

梅雨、蒸し暑さ、酷暑など、健康に気遣う要素が増える季節です。

  • 向暑のみぎり、どうぞご自愛ください。
  • 暑さが厳しくなってまいりました。どうぞご自愛ください。
  • 酷暑の候、どうぞご自愛ください。
  • 残暑厳しき折、どうぞご自愛ください。
  • 厳しい暑さが続きますが、どうぞご自愛ください。

秋 9、10、11月

残暑が残り、夏の疲れが出ます。また、季節の変わり目でもありますし、寒くもなります。

  • 季節の変わり目、どうぞご自愛ください。
  • だんだんと寒くなって参りました。どうぞご自愛ください。
  • 氷雨の候、どうぞご自愛ください。

冬 12、1、2月

本格的に寒くなってきます。体調を崩しやすく、風邪が流行ります。

  • 心せわしい年の暮れですが、どうぞご自愛ください。
  • 寒さ厳しき折、どうぞご自愛ください。
  • 余寒なお厳しき折、どうぞご自愛ください。

 

「ご自愛ください」の言い換え

何通も送っている場合、ワンパターンのように感じてしまう場合もあります。ほとんどこちらの思い過ごしですが、それでもパターンを変えたい場合は、「ご自愛ください」の代わりに同じ意味の言葉を使ってみるのも良いでしょう。

  • お体お気を付けください。
  • お体を大事になさってください。
  • ご健康を心よりお祈り申し上げます。
  • お疲れが出ませんよう、お体をお労りください。
  • お体をおいといくださいませ

「ご自愛ください」は相手をいたわる気持ちが伝わる言葉です。そして「終わりよければすべてよし」の言葉にあるとおり、メールや手紙の結びの部分にある言葉は、強く印象に残ります。こつをつかんで、是非、積極的に使ってくださいね。

 

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