
その男のモロな下心、気づかない?ナシ歴長すぎ女の「勘違い」って【不倫の精算#42】前編
後ろ指をさされる関係とわかっていても、やめられない不毛なつながり。
不倫を選ぶ女性たちの背景には何があるのか、またこれからどうするのか、垣間見えた胸の内をご紹介します。
「彼氏なし6年の独身女性」が突然恋に落ちた相手って…?
Yさん(38歳)から「好きな人のことで悩んでいるの」とカフェに誘われたとき、話題の新鮮さに心が動いた。
それまでYさんから恋愛の話が出たことはなく、こちらの家庭の話を「やっぱりただ付き合うのと結婚は違うのね」と興味深く耳を傾けていた姿を思い出す。
Yさんは独身で6年ほど彼氏がいないことは聞いていて、特に恋愛や結婚に焦っている様子はなかったが、久しぶりのお誘いが恋愛の話であることがうれしかった。
待ち合わせたカフェのテラス席で、Yさんは以前と変わらない柔らかい笑顔で迎えてくれた。
「好きな人ができたのね」
「うん」
よかったじゃない、と続けながらYさんを見ると、ちょっと肩をすくめて何だか困ったように目尻を下げるのがわかった。
「悩んでいるって?」
それぞれ注文した飲み物が運ばれてきて、マスクを外しながらそう尋ねると、Yさんも同じく耳にかけた紐に手を伸ばした。
「あの、その人、実は結婚していて」
え、とカップにかけていた指を引っ込めて顔を上げると、今度こそ明らかに困惑した表情を浮かべたYさんの瞳があった。
「不倫なの?」
「うん」
うなずいてから、Yさんは視線を下げて肩を落とす。
以前、「寂しくても不倫は駄目だよね」と言い合ったことがあるが、「不倫は時間の無駄だと思う」とみずから口にしたのに、何があったのか。
「その人ね、単身赴任でこっちに来ているの」
目の前に置かれたレモンティーのカップから立ち上る湯気を見つめながら、Yさんは話しはじめた。
プールで「話し相手」を探していた既婚男性
Yさんが好きになった男性は40歳、ダイエット目的で通っていた市民プールで出会ったという。
隣のコースになることが多く、最初は最近よく見かけるなと思っていたが、そのうち話しかけられるようになり自己紹介に至った。
「単身赴任でこっちに来ています、ってはじめに言っていたのね。それで、ああ結婚している人なのだとは思ったけれど、別にプールで会話するくらいなら問題はないでしょと思って」
既婚者なので逆に安心したとYさんは話す。これがもし独身の男性だったら、「出会いにカウントしちゃうから、緊張したかも」となるが、結婚している男性ならそもそも先がないので気楽なのだ。
Yさんの気持ちは理解できる。
一方で、引っかかるのはその既婚男性の態度だった。
「ひとり暮らしで会社と社宅の往復だけだから、話し相手がいなくて寂しいって言っていたの。
プールに通うのは、運動したいのもあるけど、会社以外の人間と会話できるかなと思っていたって。
そういうのは私もわかるなと思ったのよね」
「話し相手」がほしいのなら、別にYさんでなくても同性の人がたくさんいただろう。
わざわざYさんの隣のコースに入るのも、Yさんより先に上がろうとしないことも、既婚男性に何か意図があったのでは、とうっすら感じた。
それは言わずに先を促すと、
「挨拶してプールから出て、帰ろうとしたら駐車場に彼がいてね。
これからスーパーにご飯を買いに行くって言うから、お惣菜の美味しいお店を教えてあげたの。
そうしたら、『今度食事でもどうですか』って言われて……」
ほら来た。
既婚男性に感じた意図は、これだ。
「わかりやすいねえ」
そう言うと、Yさんの瞳にかすかな怯えの色が走った。
「え、何が?」
「話し相手がほしいってその人は言っていたのよね?
仲良くなってすぐ食事とか、最初からナンパみたいなものじゃない」
プールで会うだけの関係でも、十分話し相手になるでしょ。
そう言うと、Yさんの肩にぐっと力が入るのがわかった。
視線を外してカップを見つめながら、
「そんなの、私にはわからないわよ……」
と、小さな声で絞り出すように言った。
「やられ放題」の独身女性は、既婚男性の罠に気づかない
そして思い出す。
Yさんは、6年間彼氏がいなかったが、それ以前もまともに男性とお付き合いしたことがない。
どちらかといえば控えめでおとなしく、みんなといるときも自己主張の少ない彼女は、恋愛の経験値が「人より低い」ことを気にしていた。
「好きだと言われてお付き合いしたことはあるけど、LINEとかデートとか、女のほうからガツガツいくのは駄目なのかなと思って待っていたら『物足りない』って言われるの」
自身の恋愛遍歴について以前そう話してくれたことがあったが、受け身でいることが女性らしさなのだと彼女は思っていた。
あれこれと考えて尽くすほうでもなく、男性の気持ちを知ってからそれに応えるのが愛情と信じていたが、短期間で終わる交際を繰り返して「何かおかしい」と感じてはいたそうだ。
それでも、自分から積極的に男性と関わる勇気はなく、寄ってくる人に心を開いて受け入れるパターンばかりだったが、
「彼氏に『転職したいけど貯金がないから、もし生活費で困ったら助けてくれる?』って言われたの。
好きならできるよねってお金をねだられて、いくらか出していたらいきなり音信不通になって」
と、6年前の最後の交際は散々な終わりだった。
それ以来すっかり自信をなくした彼女は、恋愛そのものから遠ざかっていたのだった。
いっそ自分を惨めだとすら感じる。この男と私の関係って【不倫の精算#42】後編
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