「ママ、怖い。寒くて熱い」オミクロンに感染した娘は悶えながら訴えた

*この記事は2022年2月に公開した記事のリバイバル配信です

 

ピークアウトは2月上旬と言われつつ、まだ感染者数は増加する一方のオミクロン株。その感染力の高さから、一家が全員が順番に感染する例が多数寄せられています。

小3娘、小1息子、47歳ご主人の4人家族で都内近郊に暮らし、「この2年間は念入りに感染対策を続けてきた」という山内マユリさん(仮名・45歳)の体験を聞きました。

 

気を付けていたのに…避けられなかった学童保育での感染

パート勤務中のマユリさんに1本の電話が入ったのは1月27日(木)の午後のこと。子ども2人が通う民間学童保育で職員1名が陽性判定という連絡でした。

 

「正直、血の気が引く思いでした。ママ友の間で最近、この学童に感染対策が甘い指導員がいると話題になったばかりでした。ですが学童側は、濃厚接触には当たりません、念のため体調には注意してくださいと言い張るばかり。実は我が家の子ども2人は喘息を持つハイリスク群です。こんなことならパートをしばらく休んで学童も休ませればよかった……」

 

幸いにして、夕方お迎えに行った時点では子どもたちは元気でした。ですが28日(金)の朝5時ごろ、マユリさんは娘さんのただならぬ様子に気づきます。

 

「この日は夫の出勤が5時だったので早起きしていたのですが、娘がベッドの中でバタバタともがき苦しんでいたんです。『ママ、助けて、怖い、苦しい』って言いながら。えっ、何が起きたの? これ感染? 事態がつかめませんでした」

 

慌てて検温すると39℃近い高熱。呼吸もできないほどに激しくせき込み、頭痛も訴えます。慌ててかかりつけの小児科のネット予約を入れましたが、朝5時なのにすでに20番台。しかも、サイトには「パンクしているため、予約しても診察できない場合があります。PCR検査の結果は5日かかります」と書かれています。

 

「パニックでしたが、ママが頑張らなきゃと気持ちを切り替え、急いで身じたく。子ども2人を連れて車で隣の市の総合病院へ行くことにしました。ママ友から、その病院なら直接行けばPCR検査も受け付けてくれると聞いていたんです」

 

ところが、着いてみると、朝7時前なのにすでに病院を取り巻く100人以上の大行列。娘さんは高熱ですが、一人で車に残してもおけず、ふきっさらしの中で立って待つしかありませんでした。

 

「張り裂けるような思いでしたが、周囲だって子連れで、みんなひどく咳こんでいます。お互いさまと思うしかないんです。そうこうするうちに一緒に連れてきた息子も咳をし始めました。やっと屋内に入っても、ディズニーのアトラクションみたいにまだ50人くらい待っているんです。しかもこれが診察ではなく受付の行列。とんでもないことになっちゃったって実感しました」

 

ママ友の間で瞬時に回った「感染者特定」

その日の夕方に子ども2人の陽性が判明しました。熱と咳に苦しむ子どもを看病しつつ、パニックになりながら学校や学童に連絡を入れると、なんと一瞬でママ友の間で噂が回り始めました。

 

「学校が、息子・娘が教室で座る席の周囲8人のご家庭に『濃厚接触には当たらないけれど体調を注意して見守ってください』と連絡したみたいで。きょう欠席してたのは誰?と子どもに聞けば、我が家だとわかりますよね。よりによって、ものすごくやっかいな噂好きママのお家がその8人に入っていて……もう瞬時に、他の学年にまで、ウチだ!という話が回ったみたいなんです」

 

あちこちから心配して入る連絡に出るうち、こうした事情を娘さんが察して、「ママ、もしかして、私、もう学童に行けないの? 学校に行ったらコロナっていじめられちゃうの?」とシクシク泣き始めました。

 

「うちではないと否定すれば嘘になるし、濁してしまうとあとから連絡しないとならない。私はパニック、子ども2人は重病、この状態で頭なんて回りません。何を言われてもすいません、ごめんなさいくらいしか言えなくて。余裕のあるうちにもっと考えて、うまい言い方を用意しておけばよかったです。娘の心に傷を残してしまいました」

 

この時点で娘さんは高熱と咳、倦怠感に加えて「ガラスが刺さってるみたいにのどがいたくて何も飲めない」という強いのどの症状に苦しんでいます。親としての無力感にさいなまれました。

 

いよいよ子ども2人が高熱、もうろうとしながら「寒いのに熱い」

29日土曜、前夜までは微熱だった息子さんも一気に発熱、39℃台後半に。

 

「夫は物流会社で配送を担当しており、正社員ながら歩合制です。そのため、夫が感染すると我が家の家計は命脈を絶たれてしまいます。夫だけは何としても感染させるまいと、子どもを1人ずつ2階の部屋に隔離し、夫は1階から一切出ないようにと、生活を部屋ごとに完全に分けました」

 

子ども2人は引き続き高熱が続き、意識ももうろうとしています。6時間おきに手持ちのカロナールを服用させ、熱がやや下がった瞬間に食事や着替えのお世話、4時間ほどでまた熱が上がる繰り返しでした。そんな中、息子さんが力なく訴えるそうです。

 

「『ママ1階に行かないで、コロナ怖いよ』って。しかも『寒いのに熱いよ、怖いよ……』と病状を訴えるんです。あとで私も感染して意味がわかりましたが、確かに寒くて熱く、怖いんです。こうも泣く子どもを見ると、隔離が原則とわかっていても『ママ、コロナになってもいいからお部屋にいっしょにいるよ、安心して寝ようね』って手を握るしかなくて。子どもがうとうするまで待つ繰り返しでした」

つづき>>>ついに一家全滅までのカウントダウン…そして判明する恐怖の事実とは?

(個人特定を避けるため一部を編集していますが、コロナの病状にまつわる部分はご本人の体験通りです。また、体験を可能な限りそのまま迅速に伝えることを目的とするため、内容は生の声をそのまま納め、感染症専門家の査読を経ていません。趣旨ご理解の上お読みください)

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