落ち込みから復活できないあなたへ【暮れの酉 幸せに気づくエッセイ♯6】

2025.06.23 LIFE

占い好きのあいだで当たると評判の占い師、暮れの酉さん。彼いわく、「運がいい」とは“幸せに気づきやすくなっている状態”のことをさすのだそう。誰のまわりにも幸せのきっかけはあるのですが、運が悪いとその幸運に気付きづらくなってしまいます。巡ってくる幸せを逃さないようにすることが大切なんですって。


そんな暮れの酉さんからのお守りのようなエッセイが電子書籍『あなたの目の前にある 幸せの気づき方』(暮れの酉)になりました。ながらくオトナサローネで連載されていたエッセイは、「読むとまるで占いに行ったあとのようにスッキリ前向きになれる」と人気を博しました。あなたに訪れる“幸せ”を逃さないための、暮れの酉さんのエッセイの一部をお届けしますね。

落ち込みへの処方箋

 

仕事で、人間関係で、やらかしちゃったときは落ち込みますよね。あんなことやんなきゃよかった、なんで言っちゃたんだろう……と思うものの、時すでに遅し。自分に原因があると、後悔はより一層大きくなります。もがけばもがくほど深みにハマっていく“落ち込み沼”です。不合格や失恋といった大打撃でも、落ち込み沼直行。何が悪かったんだろう、もっとこうすればよかった、と何度も何度も考えてしまう。望んでいた未来が手に入らないことに胸を痛めながら。

 

こういうとき僕らは「もう取り返しがつかない」と頭を抱えるわけです。確かにタイムマシンがあるわけでもないから、過去に戻ってやり直すことはできません。でも長い人生から見れば「点」にすぎないことがほとんどです。いまは目の前にそびえ立つ断崖絶壁だったとしても、どんどん歩いて先に進めばいつの日か遠くから眺めてみると、ほんの小さな点になっているようなもの。人生を彩る点描のひとつにすぎないのです。なんて言っても、落ち込み沼にいるときはこんな言葉は届きませんよね。頭ではわかっているんです。でも頭で落ち込んでるんじゃないんですよね。

 

落ち込みへの処方箋は「時薬(ときぐすり)」しかないと思っています。ただただ時間が過ぎ、日常にさらされて風化するのを待つしかありません。なまなましい傷口にカサブタができて、やがてうっすらとした傷痕になって消えていくように。回復を早めたいなら、前に向かって進むことです。振り返ってはいけません。ただ前を向いて、重い足を一歩、また一歩と前に進めるんです。進んでいるうちに新しい景色が目に飛び込んできて、新しい何かが心に入り込んできます。そうしていつしか、忌まわしい出来事は記憶の片隅に押しやられ、忘れ去られます。そう、記憶は上書きできるのです。

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