吉本のギャラは本当に9:1?現役芸人が語る「コスト」の話【元国税芸人】

元国税局職員 さんきゅう倉田です。

世間の注目を浴びている吉本興業株式会社で芸人をやっています。

芸人さんたちのTwitterの投稿には「吉本という会社が好きです」「嫌な思いもしたけど、素敵な社員さんもたくさんいます」「ギャラが100円しか入ってなかったことがある」などと、騒動を受けての気持ちを吐露するものや信義則に反する暴露が散見されます。

 

それぞれがどのようなツイートをするかは、本人の責任の範囲で自由にやっていただくとして、個人的に思うことは、他人を批判するときは、自分も批判されることを覚悟しなければいけない、他人を責めるときは、自分に非がないことを確認しなければいけない、ということです。

 

芸人は「自分たちが集客できなかったとき」のことを言わない

例えば、こんなことを言う芸人がいるとしましょう。

 

「100席で満席となるライブがあって、チケットをすべて売り、グッズも完売させた。そのギャラが、2000円だった」。

 

売上は、容易に計算できるので、芸人さんが自分で割合を計算することがあります。

 

売上が40万円だったとして、コンビで4000円のギャラだったから1%しかもらっていない、おかしい、などと言うわけです。

 

そこだけ見ると、確かにギャラは少ない。不満が出るのも分かります。ライブの担当者からの説明は必要でしょう。

 

しかし、芸人さんたちは、自分達がまったく集客できなかったライブのことはツイートしません。

 

100人のキャパシティに対し、チケットの販売枚数が20枚とか30枚のイベントは、ざらにあります。スタッフの人件費や会場の賃料、光熱費、広告料、チケット発券料などを考慮すると、赤字です。

 

そんなとき、芸人さんたちは、負担してくれている会社に謝罪したり損失を負担したりしたのでしょうか。

 

経費に思いを馳せることすらしなかったのではないでしょうか。

 

他人の損には見向きもせず、自分がお金をもらえないと一方的に暴露して、世論に訴えるのは、公正さを欠いた行為だと僕は思います。

 

何にどれくらいのお金がかかっているか考えたことはあるのか

イベントの運営やマネジメントにはお金がかかります。

 

しかし、どのくらいのお金がかかっているかがわからないので、マネーリテラシーの低い人達は、取り分が少なすぎると不満を募らせます。

 

取引先には公表できないでしょうが、今後は事務所に所属する芸人に対しては収益の数字を共有するのもよいのではないかと思います。売上を伝え、経費を伝え、利益を伝えて、その中からいくらがタレントに支払われているのか知れば、憤る芸人も減るでしょう。

 

場合によっては、利益が出ていないのにギャラを支払ってくれていることを知る機会になります。収益性のない事業であるにもかかわらず、タレントにはギャラを支払ってくれていることもあると。

 

そうでないと、これからも、芸人たちは自分の目の前の損得だけを追い続けてしまいます。

 

本当にその吉本のギャラは「9:1」なのか?

吉本興業とタレントは、ギャラが9対1だという話は有名です。先輩方がテレビで言っていて、会社はそれを否定しないので、一般の方でも認識しています。

 

問題なのは、同じ事務所に所属する若手芸人が、すべての仕事のギャラが9:1であるかのように偏った発言をすることです。

 

例えば、テレビ出演のギャラは具体的な割合は言えませんが9:1ではないし、仕事の内容によっては、たくさんくれることもあります。でも、そういうときは誰も何も言いません。

 

悪かったときは詳らかにして所属事務所の評判を落とすのに、良かったときは言わないなんて、信義則に反します。

 

そういう若手芸人さんに限って、会社側に論理的に交渉していない。ただ「安い」「少ない」と言うだけです。それでは、ギャラは上がりませんし、仕事をする前に確認すればそのような問題は起こりません。

 

自分のミスは言わずに、何も言わない人をSNSで一方的に責めるのは美しくない、と感じます。

 

人が自分に対して何かをしてくれたとき、そこにどれくらいのコストがかかっているかがわからない人は、不義理を続け、ビジネスで成功することはありません。上手くいく人達は、売上だけでなく、コストも把握しています。

 

他人を責める前に、まずはよく確認し、計算し、自分の主張に論拠があるか精査しましょう。

 

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