高IQ=頭がいい時代は終了?新しいものさし「PQ」とは

仕事やプライベートの人間関係が変わるシーズン。この時期ならではの「悩み」や「迷い」も膨らみがちです。心理カウンセラー・岡部愛さんの「オトナ女性のメンタルケア」をリバイバル配信中。

 

最近の「頭のよさ」は「人間性」も加味して測定する

一般的に「頭が良い」とはどういうことでしょうか?何の基準をもって、判断されているのでしょうか?以前はIQ(Intelligence Quotient)が高い=頭が良い人と思われていました。IQとは知能指数のことで、従来型のIQは、生活年齢と精神年齢の比を基準としていて、知能テストで測定されていましたが、現在ではIQとは違う視点の「人間性」という価値観が注目されてきました。

 

■まず、IQ(知能指数)とは何なのか?

 

IQとは、基本的に人間の資質を表すものではなく、特定の訓練や、その時の体調によっても結果が左右されます。20世紀初頭にフランスの心理学者アルフレッド・ビネーが考案し、その後改良を加えられました。

 

IQは、生活年齢÷精神年齢×100

という数式で表されます。

具体的には、いろいろな問題を制限時間内に解いていき、生活年齢と精神(知能)年齢の比を測定します。

たとえば10歳の子供が15歳の子供が解ける問題のほとんどに正解すれば、IQは150になります。

最近は知能の遅れを判断するために、活用されることが多く、IQは原則として開示されません。

 

■いっぽう、注目のEQとは?情動に関する能力

 

現在は、IQとは別のアプローチで「人間性」という価値観が重視されつつあります。情動に関する能力も人間の知性の一部と考えられるようになったからです。そこで登場したのがEQ(Emotional Intelligence Quotient)=情動指数です。

 

EQは、1980年代にアメリカの心理学者、ピーター・サロベイとジョン・メイヤーらが提唱しました。それから1995年に同じくアメリカの心理学者ダニエル・ゴールドマンが著した「EQ こころの知能指数」という本で世界中に普及しました。

 

■EQを構成する5要素

 

EQは主に5つの能力から構成されます。

 

・自己認知力=自分の本当の気持ちを大切にし、自分が納得できる決断を下せる能力。

 

・自己統制力=衝動を抑え、ストレスの元となる感情を抑えることができる能力。

 

・動機づけ=目標に向かって前向きに考え、努力を続けることができる能力。

 

・共感能力=他人の気持ちを敏感に感じ取り、共感する能力。

 

・社会的スキル=集団の中で他人と協調、協力できる能力。

 

■人間性を発揮するには

 

たとえ高いIQ(知能指数)を備えていても、その能力を使う能力であるEQ(情動指数)が備わっていなければ意味がありません。自転車の両輪のように2つが作用し合って、「人間性」を発揮できるといえます。

自分の感情を知り、現実的な自己を形成して、それを行動の指針とする能力(心的知性)と、周囲の人の気持ちを感じ取って適切に行動する能力(対人知性)を合わせた、人格的知性が重要視されています。

 

>>>IQ、EQに加えてもう一つ存在する「新しい知能のものさし」とは?

 

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