ホルモン補充療法(HRT)で更年期以降のQOLを向上!「美容面」でもメリットが

2024.12.26 LIFE

昨今、更年期以降の女性の健康や生活の質(QOL)を向上させるための選択肢として、ホルモン補充療法(HRT)が注目を集めています。そこで今回は、日本女性医学学会の名誉会員でもあるローズレディースクリニックの石塚文平先生に「ホルモン補充療法の最新情報」についてお話を伺いました。

 

前編では、子宮を全摘出した後の更年期症状に悩む読者・たぐちまいこさんの体験談とともに、ホルモン補充療法の基礎的な情報について伺いました。<前編を読む

 

ホルモン補充療法を受ける前に確認すべきことがあれば教えて下さい

 ホルモン補充療法を受ける前に、ご自身の健康状態を把握することが第一歩です。事前に全身の健康状態をしっかりチェックしましょう。※基本的には、会社などで受ける定期検診の結果を持参すれば、特別な検査をする必要はありません。

 

血圧や体重の管理

高血圧や肥満があると、血栓ができるリスクが高まることがあります。ホルモン補充療法を安全に続けるためにも、日頃から体重や血圧の管理を心がけましょう。

 

乳房の検査

乳がんのリスクを軽減するため、毎年マンモグラフィーや超音波検査を受けることが推奨されます。また、自分自身で月に1回、乳房を触って変化がないか確認するセルフチェックも重要です。

 

婦人科での診察

年に1回、婦人科での定期検診を受けましょう。子宮頸がんや子宮体がんのリスクを確認する内診や超音波検査が必要です。

 

血液検査

半年から1年に1回の頻度で血液検査を受け、副作用が出ていないか確認します。特に肝臓や腎臓の状態をチェックすることが重要です。

 

ホルモン補充療法を続けていく上で知っておきたいこと

■ホルモン補充療法を中止しても、また再開することは可能ですか?

治療を中止すること自体はいつでもできますが、長期間の中断後に再開することはあまりおすすめできません。中断している間に動脈硬化が進み、脳血管系のトラブルを増やしてしまう可能性があるからです。しかし数ヵ月など短期間の中断であれば、再開可能な場合もあります。再開する時には全身の状態を確認し、医師の判断に従う必要があります。

 

■通院頻度は?保険適応年齢を過ぎたら?

 ホルモン補充療法を始めたばかりの頃は、治療が体に合っているかを確認するため、約2週間に1回の通院が推奨されます。治療が安定してきたら、3ヵ月に1回の頻度に落ち着くことが一般的です。保険適用年齢以降は自費診療で継続することができますが、自費でホルモン補充療法を続ける場合、半年に1回程度の通院が目安です。

 

■更年期に保険適用で治療を受ける場合の費用

60歳前後までの治療には健康保険が適用されます。一般的に、1,000円~5,000円程度です。(※保険適用年齢は地域によって異なります)(※費用は症状や使用する薬剤により変動はあります)

 

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