
「100年先の江戸を見てみたくないか」“売れるもの”と“書きたいもの”の間で揺れる男たちの選択【NHK大河『べらぼう』第19回】
*TOP画像/蔦重(横浜流星) 孫兵衛(片岡愛之助) 大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」19話(5月18日放送)より(C)NHK
吉原で生まれ育ち、江戸のメディア王に成り上がった蔦重の人生を描いた、大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(NHK総合)の第19話が5月18日に放送されました。40代50代働く女性の目線で毎話、作品の内容や時代背景を深掘り解説していきます。
▶▶唐丸の母は「夜鷹」だった──吉原より過酷な仕事の実態と、現代の“立ちんぼ”にも通じる問題とは?
いい作品が大衆の喝采を浴するとは限らない
蔦重(横浜流星)は、耕書堂の経営はまずまずであるものの、同業者の盛況に頭を悩ませています。与八(西村まさ彦)が経営する西村屋の勢いが吉原で再び盛り上がる予感がするだけでなく、喜三二(尾三としのり)が居続けで執筆した青本が他の青本に埋もれてしまったためです。
そうした中で、蔦重が目を付けたのは、何ともいえない味がある絵を描く春町(岡山天音)でした。しかし、鱗形屋との結びつきも強く、真面目な性格のこの男を引っ張ってくるのは簡単なことではありません。
春町(岡山天音) 大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」19話(5月18日放送)より(C)NHK
春町の絵 大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」19話(5月18日放送)より(C)NHK
一方、春町は鶴屋の主人・喜右衛門(風間俊介)と作品に対する考え方の違いで対立し、気落ちしていました。
喜右衛門(風間俊介) 春町(岡山天音) 大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」19話(5月18日放送)より(C)NHK
喜右衛門は3カ月粘っても、これといった案思(=構想)が出なかった春町に『金々先生』の書き直しを提案します。しかし、春町は「同じことをやるというのは 俺は 好きではない 読み手にも無礼であろうし」と拒みます。喜右衛門はそれでも譲りません。
「読み手は面白けりゃ それでいいと思いますよ。それに どんな手垢がついていないネタだからって こんな古い謡曲を元ネタに持ってこられても 読み手は ついてこられぬかと。今の流行りは 知識はなくともくすりと笑える おかしなやり取り 気の利いた文句なんですよ」
春町が古い謡曲を元ネタに持ってきた真意は分からないものの、悩みながら書く彼のことだから、強い思いやこだわりがあったに違いないはずです。それにもかかわらず、「古い」と一蹴されては、他の人に頼めばいいのに…という気持ちになるのは自然なことです。
この頃の読者は知識がなくともくすりと笑えるやりとり、気の利いた文句を求めていたとのことですが、現代の読者と共通しているように思います。本には歴史や元ネタを知っていると楽しめるものもあれば、知識がなくても楽しめるものがあります。今の時代においても古典などの知識が必要なものは一般ウケはしません。日々忙しなく暮らしている江戸っ子も現代人も本を読むときくらいむずかしいことは考えず、おかしなやり取りや気の利いた文句にくすっと笑いたいのでしょう。
誰も見たことのねえ、100年先の江戸を… 次ページ
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