この人を選んだら、幸せになれますか?-38歳・清美の場合(3)-【40女の恋愛事情・story4】
飲みに誘ってくれた2人のうち、1人は会社の同期。もう1人は取引先の年下の人。
同期は一緒にいて安心するけれど……。そして、今日は年下くんと会う。
あまり語られることのないアラフォー女性の恋愛事情をクローズアップした小説、【40女の恋愛事情】。
年下くんとは、駅ビルの中のおしゃれな夜カフェに入った。
10階の窓際の席だったから、目の前にビルの夜景が広がっている。
「綺麗ね」
うっとりと外を眺める。
普通だったら「綺麗だね」と言葉をかぶせて来てくれるのに、彼は黙っていた。
「ここは10階なんだし、いちいち騒ぐほどの高さじゃないですよ」
とクールだった。
彼はまるで、私とは、”そういう雰囲気”になるまい、と身構えているかのようだった。
優しい言葉をかけても、褒めてみても、彼からは大して反応が返ってこない。
それどころか、こんなことまで言われてしまった。
「誰にでも、そんな風に、気があるような態度を取ってるんですか?」
「気があるだなんて」
手のひらがじんわり熱くなる。
「ただ、素敵だと思ったから、褒めたりしているだけよ」
「でもいろんな人に言ってますよね?」
「なんで、そんなこと聞くの」
顔がこわばる。
私のことについて、誰かがよからぬ噂でも流しているのだろうか。
「噂なんて聞いてないですよ。でも、何度か会社で姿を見かけてたんで、なんとなくわかります。いつも違う男の人と、廊下とかで、こそこそ話してたから」
この記事は
作家&エッセイスト
内藤みか
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