40歳になった医師が「やめたこと」って?今すぐ手放したほうがいいクセ

オトナサローネの読者のみなさん、こんにちは。「予防医療」のスペシャリストで、医師の桐村里紗です。

この連載では、人生100年時代の折り返し地点、50歳になる前にやめたい悪習慣についてお伝えしていきます。

この頃、「大人」になり過ぎていませんか?40代からは「大人」でいることをむしろやめてしまいましょ。

【ネオヘルスケアドクターLISAの「50歳になる前にやめる100のこと」#16

 

「大人」という着ぐるみは必要?

私ごとですが、2月に40歳になりました。

 

2000年に20歳になり、2020年に40歳。

 

半分子供時代、半分大人時代を生きたものです。

 

人生には大きな変容のタイミングが時に訪れるものですが、30代最後の年に「まだ脱ぎ捨てるものがあるぞ」「何だか今の自分は窮屈だぞ」と、感じるようになりました。

 

何が窮屈なのか考えた結果、どうやら、「大人」という着ぐるみが窮屈だということに気づいてしまったのです。

 

「大人、やめます」宣言

そして、40歳になった暁に「私、大人、やめます!」宣言を致しました。

 

これからは、3歳児として生きてやろうと企んでおります。

 

普通なら、40代といえば、大人としてより成熟する年代。

 

それにも関わらず、大人の階段を自らすすんで踏み外してしまおうという訳です。大ヒンシュクものかも知れません。

 

だって、社会的に生きていく為には「大人」でいないといけませんから。

 

ましてや、お子さんがいらっしゃるお母さんであれば、子どもの教育の為に「自分が大人でなくっちゃ」と強く決意しておられると思います。

 

でも、「大人でいる」ことって、果たして本当に「良いこと」なのでしょうか。

 

大人でいることは諦めること

「大人でいる」ことって、つまり、本当の素直な自分を偽り、周りの期待や社会のルールの型にハマり、自分の可能性を諦め、自分の伸び代はここまでだと決めつける行為ではないでしょうか。

 

子どもは、大人の視点で見ると、なんでこんなこと考えるの?なんでこんなことするの?のオンパレードで、理解不可能。

 

よく街中でも、そんな子供の行動を大人の価値観で判断して、「あれをしちゃダメ」「これをしちゃダメ」「こうするべきでしょ!」などと、躾と信じてまくしたてているお母さんを見ます。

 

当然ながら、子どもはシュンとしています。時に、キョトンとしている子も見かけます。

 

でも、それってあなたの真実ですか?と問いたい。

 

大人でいることは諦めること

子どもの頃は、大人の常識や社会のルールなど全く知らず、周りがどう考えて、何を期待しているかなども全部無視して、自分の好きというパッションと無限のイマジネーションのままに、素直に感じたままに素直に行動に移していた。

 

でも、「あなたはこんな子だから」とか「女の子はこうするものです」とか「周りに合わせないとダメでしょ」とか「学校のルールに従いなさい」とか。

 

あれやこれやな大人の言葉が自分に押し寄せてきて、自分の「やりたい」とか「好き」とか関係なく、「やってはいけないこと」「できないこと」「諦めなければならないこと」がどんどん増えてしまった。

 

そんなに好きでもない仕事・人・モノ、私

そんなに好きでもない仕事につき、そんなに好きでもない人とも笑顔で付き合い、そんなに好きでもないモノに囲まれ、そんなに好きでもない家に暮らして、「私ってこんなものよね」「人生ってこんなものよね」と決めつける。

 

それが大人になるってことならば、やめちまおう!と、言いたいのです。

 

それらはつまり、生まれたままの自分が素直に発揮された世界ではなくて、周りからの言葉やルールという力によって、創られた「大人」の自分が創った「大人」の世界。

 

自分の言葉や行動も、自分の本当の素直な言葉や行動ではなくて、多くはきっと子どもの頃、大人の誰かに言われたことの影響を強く受けているはずです。

 

直感に素直になってリハビリ

私自身、小さな頃から周りの大人の顔色ばかり伺って生きていたものですから、すっかり大人のマスクがへばりついて、なかなかとれない!

 

去年から、違和感を感じだしたのですが、ふと考えると、そもそも、自分が本当は何を好きで、何が嫌いか。何がしたいのか、したくないのか。そんな判断すらできなくなっていたのです。

 

自分の中心を見つける指標は、直感。

 

何か、自分の中心とズレている時、瞬間的に違和感や不快感を感じる。

 

はっきりとした「嫌い」「イヤ」という感情は自覚できないのですが、ぼんやりと違和感があります。でも、その数秒後には、これまでのパターンとして、「大人」の理性でその違和感をなかったことにして、大丈夫なふりをして行動してしまうことがわかりました。

 

最初の直感を無視せずに判断すれば、間違いない。

 

まずは、リハビリにこれを繰り返していきましょう。

 

世界は好きと楽しいで溢れる

しばらくすると、世界が一変します。ほどほどでそこそこだった自分の周りの世界が、ワクワクでウキウキだらけになります。

 

直感的に「好き!」「良い!」と思う人やモノに囲まれ、楽しいと思うことを選択していく。

 

でも、これって、とても勇気がいります。本当に大丈夫なの?と不安になります。

 

でも、いいんです。

 

自分の人生は自分が主役。もちろん責任も伴いますし、元の世界がある程度は崩れることは覚悟が必要です。でも、古いものを手放さないと新しいものは入ってきません。

 

子どもにも示しがつかないでしょう?と大人の考えが止めるかも知れません。

 

子どもは、大人が凝り固まった考えで型にはめるものではなく、大人が代わりに教わり、解放してもらう存在です。

 

彼らの自由なクリエイティビティの芽を摘んでしまうことがないように。

 

むしろ、一緒に遊んでもらったら良いのではないでしょうか。

 

さて、皆さん、もう気分は3歳児ですね。

 

一緒に遊びましょ。

 

【ネオヘルスケアドクターLISAの「50歳になる前にやめる100のこと」、週1回、土曜の夕方に配信!】

文/内科医・認定産業医 桐村里紗

tenrai代表取締役医師。1980年岡山県生まれ。2004年愛媛大学医学部医学科卒。内科医・認定産業医。治療よりも予防を重視し、最新の分子整合栄養医学や生命科学、常在細菌学、意識科学、物理学などをもとに、執筆、webメディア、講演活動などで、新しい時代のライフスタイルとヘルスケア情報を発信。著書『日本人はなぜ臭いと言われるのか 体臭と口臭の科学』(光文社新書)ほか。

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