
#4セックスは嫌いだった、不倫の恋に落ちるまでは。【40代、50代の性のリアル】
年下男性からの好意
そんなまじめなアオイさんが、離婚後、不倫の恋にはまってしまう。相手は、転職した職場での同僚で、3児の父親でもある男性・ケンジさん。当時38歳のアオイさんより6歳年下だった。
「結婚前に妻子のある男性とおつき合いしたことはないです。もともと頭がカタイといわれる性格なので、不倫=絶対的な悪だと思っていました。いまでも基本それは変わっていません。でも、というと言い訳がましいんですが、当時の私は離婚をし、その影響でたくさんのものを失って、表向きは何も変わっていないように見えてもどこか自暴自棄になっているところがありました。無意識のうちに刹那的な刺激を求めていて、そこに彼がいたんです」
よく笑う人だ、というのが彼に初めて会ったときの印象。周りを明るくし、誰からも慕われるような存在が職場にいるのはありがたい。アオイさんも彼に好感を持った。でもそれ以上のものではなかった、はずだった。
「彼は職場でも私への好意を隠そうとせず、周囲からも『ケンジさんはアオイさんに永遠の片想いをしているんですよね』とからかわれるほど。かといって手が早いというわけではなく、長いあいだ姉と弟のような関係を保っていました。彼が必死に自分をおさえようとしている様子がいじらしくて、最後は私からキスを誘いました」
元夫からは感じなかったもの
彼とのセックスは「初めて」づくしだったとアオイさんは思い返す。
「私たちは会話をしながら、たっぷりと時間をかけてお互いの身体をたしかめ合いました。彼は女性経験が少ないし早漏気味なのでセックスに自信がないといっていましたが、そんなの関係ないですよね。全身をていねいに愛撫してくれるので、生まれて初めて『男性から大事にされている』という感覚を味わえました。別れた夫との性生活では一度も感じられなかったものです」
「ようやく結ばれたときは、うれしくて泣いてしまったほど。自分でもどこから声が出ているかわからないほど喘いだのも初めてなら、イクという経験をしたのも彼が初めてでした」
所詮は不倫ですが彼から愛されているという実感がありました、とアオイさんは語る。不倫の是非はここでは問わない。読者のみなさんひとりひとりにも見解があるだろう。けれど、そのときのアオイさんには必要なものだったのだと筆者は思う。人肌のぬくもりが打ちひしがれた心を救ってくれることがある。快感に我を忘れることで心がリセットされることもある。
大胆すぎる逢瀬
「それまで義務感からセックスしていた私にとっては、天地がひっくり返ったかのような出来事でした。彼にとっても同じだったようで、歯止めがきかなくなり……仕事が終わってからホテルに行ったり海辺に車を停めたりして、ふたりの時間を作りました。職場で人気のないところを見つけてこっそり抱き合ったり、いま思えば大胆すぎることをしていました」
完全にふたりの世界に浸りながらも、ケンジさんは妻に勘づかれないよう細心の注意を払っていた。けれど、こういうことは隠しとおせないのが世の常のようだ。
「離婚をにおわされた彼は、私との関係に及び腰になりました。偶然その時期、彼が別の支店に異動になり顔を合わせる機会が減りました。せっかく会ってもお互いにギスギスして、傷つく言葉を投げ合うようになって。私も、自分のなかにこんなどす黒い感情があるんだって驚くことばかりでした」
セックスのよさを知らずにいたら
不倫の代償は大きかった。別れるの別れないのをくり返すなかで心身の調子を壊し、一時期は精神科にも通っていたアオイさん。再び「新しい恋をしよう」と思えるようになるまでには時間がかかった。
現在、40代半ばを迎えたアオイさんは婚活中である。つらい思いをしたけれど、
「彼と交際していた30代後半から、セックスが好きになったことは事実です」
という彼女は、そこで出会う男性ともさまざまな体験を積み重ねている。男性と会う会わないの基準は、「セックスできるかどうか」。もし彼女が離婚後すぐ、つまりセックスの悦びを知ることなく婚活をしていたら、様相はまったく違ったものになっていただろう。濃密な性経験が、彼女の男性を見る目を変えた。人生の軌道も、変わった。
アオイさんの婚活とセックスについては、回をあらためてお届けする。
【編集部より】
■40代、50代の性のリアル by 三浦ゆえ
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